マーケット短信 Vol.161 Jan,13 2009

「駄菓子と電卓」
先週の文具合同展で、サンスター文具の新製品360円のディズニー電卓を見た。瞬間、私が手掛ける店舗の駄菓子コーナーで、このかわいい電卓を使いたいという考えが頭をよぎった。
気付かれた方もあると思うが駄菓子売場では、子ども達が欲しい商品を備え付けのかごに入れる時に、値段を電卓に打ち込み上限金額との差を確認しながら買物 をする光景をよく見かける。小さな子がお母さんから100円玉を貰い駄菓子を買う時には一人で電卓を使う。小学生が3人連れで来た時には一人が電卓打込み 係、二人が品選びと値段の読上げ係になり商品を篭に入れる度に加算し、上限を越えた場合には何を止めて値段を合わせるかを協議。傍から見るとまるでリアル な買物ごっこを楽しむといった様子。例えば3人が100円宛出し合い300円の買物をした時は、何千円もするおもちゃで遊んだ時よりもその満足度は高いと 思われ、対抗できる商品はニンテンドーDS位しか思い付かない程だ。
この電卓は棚に吊り下げてあるものを、子ども達が自分で首から提げて買物遊びに使う訳で、ディズニーの電卓ならば遊びは更に楽しくなる。
本来楽しくなければならない玩具売場より、そこで買うこと自体が遊びになる駄菓子売場の方が楽しく見えるという現実は、玩具に関わる者に多くのことを示唆しているように思える。

「境目を外して較べて見る商品価値」
360円のディズニー電卓で考えたこと其の二。
実用性のある可愛いい電卓の360円という価格を見たときにもう一つ考えたのは、これは玩具店の定番にすべき商品ではないかということ。
この電卓の実用的価値と可愛さそして手ごろな価格と較べ、客側の目で見てどの玩具がこの商品ならこの価格でディズニー電卓に引けをとらないと、自信を持って言い切れるのだろうか。
玩具は遊びの価値(PLAY VALUE)によって実用性のある商品と競わねばならないが、実用性と可愛さを持つ商品力に値ごろな価格が加わるディズニー電卓との比較では、相当分が悪くなる。
商品力を考える時に無形の遊びの価値を前面に出し、実用性にキャラクターというもう一つの武器を付加した商品と戦うのは相当苦しいが、商品の所属業界を超えて考える処から始めたい。

「香港トイフェア」
今年も年明け早々に開催され、世界の玩具見本市の幕開けとなる「香港トイ&ホビーフェア」。
昨年来の低迷するマーケット状況を背景に出展者も若干昨年を割り、出向人員を絞る傾向もあってか日本からの来場者も少し減少するようだ。
香港を拠点にビジネスをしている人の話では、米国やヨーロッパの発注は激減し日本とのビジネスはまだ良いということだったが、これまでの路線からの脱皮が鍵という認識では一致した。
香港におけるショーは多くの場合ソーシングというのが大きなテーマであり、各ブースでもOEMのサインが目立つのがこのショーの特徴、その魅力により世界中から人が集まって来る。
このショーには時々これまでは見なかった国が参加するが、今回目を惹いたのはマケドニア。名前しか知らない国がショーに出店するということは、子供はどこ の国にもいて玩具が子供の大事な友達ということだろうかと想像は膨らむ。
香港の後は「ニュルンベルグ トイフェア」そして「ニューヨーク トイフェア」と続いて行く。
日本は益々ソフトへの傾斜を強めるのだろうか。

「海外で見る日本の専門店」
香港には様々な日本企業が進出しているが、ミラマーホテルのアーケードにある「ユニクロ」1号店は相変わらずの賑わいで、日本で品切れ続出の”ヒートテッ ク”は女性用が訳ありバーゲンに2枚残るのみ。ここにあるセキグチの「モンチッチショップ」も認知度が上り好調のようだ。
700店を集め、オーシャンターミナル,オーシャンセンター,ゲイトウェイなど、四つのブロックからなる香港最大のSC「ハーバーシティ」。
トイザラスの香港1号店がオーシャンターミナル1階の一番奥にあるが、フロア全体を子ども対象の店ばかりを集める構想がほぼ完成し、子供服などは「ミキハ ウス」も含め世界中のブランドが勢揃いして、強力なフロアになった。
以前ここにあった「MUJI(無印良品)」が、オーシャンセンター4階に旗艦店といえる大型店でカムバックしたのが、最近の大きな話題。
ゲイトウェイアーケードには日本人の経営するやや高級な「シティスーパー」があるが、日本の食料品などを幅広く集め、日本食のテナントを入れたフードコートも人気があり人が集まる。

株式会社 葉佐商品研究所 〒158-0095 東京都世田谷区瀬田4-31-13  TEL03-3707-4453