マーケット短信 Vol.162 Jan,27 2009

「見本市の高度利用」
「香港トイフェア」に始まり、「文具合同」,「ぬいぐるみ合同」,「トイフォーラム」,「ソニーCP」,「サンリオ」など1月はさながら見本市月間の趣。
タテ軸の業種は玩具,文具,雑貨、ヨコ軸の業態はメーカー,問屋,小売で分けるとすっきりするが、分類だけでは売れる売り場は作れない。今は業種,業態の 境目に更に注目し、境目を崩し境目を超える処にしか成長の余地がない時代だ。
これだけ幅広い商品カテゴリーが身近にあるということは境目も沢山あるわけで、自らがセレクトする意思さえ固めれば、1店ずつ違う店が出来なければおかし い。今求められているのは小売側の意思決定だけなのではないだろうか。

「トイフォーラム」
玩具には見た瞬間感嘆詞の出る新しい商品と、誰もが通過する遊びの定番商品の両面が必要だ。
「生キャラメルポット」,「音声操縦R/Cヘリ」は前者、「プラレール」, 「トミカ」,「リカ」,「シルバニア」等は後者に該当するが、忘れてならないのは低単価でも店に置かねばならない商品。お風呂用「アヒル」,「ハイハイア カチャン」等、見本市は新製品と共に必須定番を再確認する機会だ。玩具店以外は特に価格の上限には注意が必要。

「文具合同見本市」
玩具と文具の距離は限りなく近い。特にアンパンマン、ポケモンなどの幼児向けキャラクターは、玩具,文具双方の小売業の商品の境目に既にポジションが確保され、活用しない手はない。

「ぬいぐるみ合同見本市」
キャラクターへの依存度の高さに悩みを持つところは多いが、取捨選択は進みつつある。キャラクターと一線を画した商品の開発も増えて来たが、底流にあるぬ いぐるみのギフト需要を踏まえての、売場との協働が残された課題だ。

「ソニーCP展示会」
元々自社キャラクターが強かったが、昨年からの「うさぎのモフィー」が好調。海外のキャラクターの中では矢張りアメキャラに強いが、仕入れはデザインで他と違いを出せるかが決め手。

「サンリオ展示会」
今回の新製品が4,000点とは辻社長のお話し。
サンリオ専門店では全ての商品に目が行き届くやも知れぬが、玩具店は違う視点でこの商品群に近づき高度利用すべきだ。許諾を受け開発する玩具各社の商品群からも一つの方向は見える。

「二つの百貨店催事」
今小売業は、客の来てくれるのを待っているだけでは事業の存続さえ危うくなる時代にいる。
モノのない時代には欲しい商品が入るまで待って呉れた人も、時代は変わり物が溢れる現代は、生活必需品以外は買う気が起きた時に商品がなければ一旦買う気 は萎む。買う気を起こさせる商品以外の動機があって始めて行動が起きる訳で、将に百貨店の催事などはその好例になる。

「くまのがっこう絵本原画展」
1月14日からの6日間開催された銀座松屋の「くまのがっこう絵本原画展」。末っ子のジャッキーと11匹のお兄ちゃんくまの日常を描いた絵本「くまのがっ こう」は、累計で100万部を超える人気シリーズ。100点に上る原画を展示したこの催しは、女性を中心に日曜日には1万人もの入場者がありこの本の人気 の程を伺わせた。
作品はくまのこたちの日常生活を描いたものだけに、読み聞かせばかりではなくクッキングやパン作りなど実際に読者との触れ合いも実現し易く、本と読者の距 離を縮められるばかりか、売場と読者の距離を近づける武器にもなる。原画展の会場を出ると、「くまのがっこう」のライセンス商品を集めた売場。もちろんこ こでしか買えない商品も用意され買物をする人は多い。

「サロン・デュ・ショコラ」
毎年パリで開催され、昨年で15回目となったチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」。
日本では7回目となる「サロン・デュ・ショコラ」は、1月21日から昨日まで新宿伊勢丹で開催されたが、世界15カ国から60のブランドと40名のショコラティエ・パティシエが参集。
人気店には長い待ち列ができ、普通に買うことの出来る店の客と交差し会場は大混雑、まるでバーゲン会場のような雰囲気さえする賑わい。当然のことながら来 場者の殆どは女性で、出店者の中にはイケメン指定でアルバイトを手配した店まであった。参加したブランドの多くは引き続きバレンタインの2月14日まで B1Fに出店。
それにしても6日間の売上は数十億円に上るとのことで、百貨店催事のパワーを実感した。
何れにしても、大掛かりな催事はとも角店に行くという強い動機を持って貰うためのきっかけ作りが、店の大小に関わらず小売業が今やらなければならない第一のことのように思う。

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