マーケット短信 Vol.163 Feb,10 2009

「専門店の目指す道」
アパレルの世界では専門店,百貨店,量販店等多くの店が、深刻な売れ行き不振に陥っている。
しかし昨年銀座に1号店を開業した「へネス&モーリッツ(H&M)」は、流行の先端を行くデザインの商品が手頃な価格で手に入ることで、入店待ち の人が列をなした。「ユニクロ」は、機能下着のヒートテックが爆発的に売れ、駐車待ちの車がつながる情景が見慣れたものになった。この2社の強みは生産か ら販売までを統合した製造小売業態(SPA)により、他にない価値ある商品を買い易い値段で顧客に提供する処にある。アパレル以外でも「フランフラン」, 「ニトリ」,「無印良品」,「エービーシーマート」等が、他とは違う商品開発や売り方開発で業績は好調に推移。これらの企業は、手法こそ違えSPA的仕組 みによって客側から見て魅力的な商品を作り、個性的な売場表現や価格で他との違いを鮮明にする。小売業が独自の商品力で他との違いを出し客の支持を得ると いうことは、その価値を買う側に認められるということで、強力な武器になる。商品で違いを創り、売場で違いを創りそして人で違いを創ることこそ専門店が目 指すべき道だ。

「行列ができるわけ」
前述の「H&M」の開店の際には、入店待ちの長い列が平日も続き話題になったが、ゲームのマーケットでも任天堂は「DS」,「Wii」など発売前日の徹夜は当たり前で、マスコミが競って取上げる。
一方はオシャレな上に買い易い価格が人気を呼び、もう一方は面白そうなソフトで遊びたいがために、ゲーム機本体も求められ売れて行く。最近の話題は、北海 道限定販売で超人気の「花畑牧場の生キャラメル」だ。朝早く札幌駅の大丸前を通ると毎日長い待ち列が続き、千歳空港でも同じ光景が連日続くとなれば、売場 で普通に買うことは未だ大分先になる。ここではタレント社長の買う側の心理を見据えた戦略が光る。玩具のように形が無くならない物から見ると、食べ物は食 べればなくなるだけに、美味しければ同じ商品が次の購買に繋がる処が羨ましい。いくら物が溢れていても、規模の大小に関わらず何か特別な思い入れを持たせ てくれる物や場所に人が集まるのは間違いなく、突き詰めると矢張り他と違う魅力を何で作るかに帰結する。

「東京ギフトショー」
先週の「東京ギフトショー」は、出展社数が2、375社、来場者数は200、125人(前年比101.64%)。
今回のショーのテーマヘルシー&エコロジカルライフスタイルの実現は、商品政策の中で今雑貨店が一番関心を覚える方向性とも重なり、切り口と出展社の括りに小売店も刺激を受けた。
日本で開催されるショーの流れを見ると、このギフトショーが始めて開催された33年前は、【1】業種型ショーの全盛時代。近い処では「トイショー」,「文 具見本市」,「ブックフェア」,「人形見本市」等、殆んどが業種見本市だった記憶がある。
次は【2】業態型ショーへの移行の時代。「スーパーマーケットショー」,「ホビーショー」,「ドラッグストアショー」,「ゲームショー」,「アニメフェ ア」など、小売業の新業態開発と共に、業種を横断した業態型のショーが次々に生れ現在に続く。
最後は物よりはソフトを売る【3】サービス提供型のショー。「ジャパンショップ」,「フランチャイズショー」,「SCショー」,「ライセンスショー」。
それにしても業種型ショー全盛時代に業態型ショーを提示したギフトショーの先見性は凄い。

「サンスター文具とソニーCPが業務提携」
文具の枠を超えてキャラクターを切り口に、様々な分野の商品を製造,販売しているサンスター文具と、有力キャラクターやブランドを保有し自ら製造,販売し ているソニー・クリエイティブプロダクツ(SCP)は、商品の共同開発を目的とした業務提携を行うことで基本合意した。
この結果これまでSCPが権利を保有し、製造,販売していたキャラクターやブランドなどの商品を、4月以降は両社の共同開発商品としてリリースすることと し、年間売上高は40億円を予定しているとの発表。SCPのデザイン力とサンスター文具の製造,販売力の提携による、新しい商品力には期待するところ大。
なお既に発表されているが、サンスター文具とセイカは3月1日に経営統合を予定している。

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