マーケット短信 Vol.166 Mar, 31 2009

「時間の壁が崩れる様」
営業時間は店側も客側も全国ほぼ同じ開閉店時間に慣れ親しんで来たため、深夜営業でこの常識を覆した店はその使い勝手を高評価された。全国展開の郊外型雑 貨店「ブルドッグ」は夜の売上が70%を占め、「ドンキホーテ」は夜の12時過ぎでも若者が次々と店に吸い寄せられて行く。極め付けは24時間営業のコン ビニで、いつでも開いている利便性で一挙に業態の認知が進み、昨年には売上も百貨店を凌駕するまでになった。
外食№1の「マクドナルド」も、24時間営業に踏切った1,700店の成果無しには業界初の5,000億円超の売上は達成し得なかっただろう。
毎日夕方には仕事が終わり毎週土曜,日曜は休日という一般的な勤務形態を前提にしたこれ迄の営業時間。しかし小売業やサービス業に携わる者の数が増加し、 平日が休日など勤務形態が多様化する時代には、店の考え方次第で営業時間の捉え方は様々なものがあっても良い筈だ。
最近温泉地の旅館による、変則1泊2日ともいうべき宿泊プランが人気を呼んでいるようだ。宿泊当日仕事を終えてから宿へ向い、チェックインは午後9時から 11時まで可でそのまま宿泊。翌日は朝食後付近を散策し午後は一番風呂で入浴を楽しみ、夕食を済ませチェックアウトは午後8時など1泊2日でも客側の都合 に沿う発想。
モノの無い時代には商品そのものが来店動機になったが、商品が溢れる今は例えば時間の枠を外して来やすい状況を作り出す等、商品以外で新しい来店動機を創 る発想が求められている。頭から決まっていると考えがちな時間と曜日の枠を外したところに生れる新しい需要を、どう取り込むかは店が考えるべき可能性の一 つだ。

「境目を崩すキャラクター力」
キディランド大阪梅田店と東京駅の「リラックマストア」、イオンレイクタウンの「スィーツワンスヌーピー(クレープ)」。昨年から今年にかけて話題になっ たキャラクターの新業態店だ。キャラクターの持つ力は、業種,業態の壁を超えて商品を横に串刺しにし、そのキャラクターが好きな人には堪えられない魅力あ る世界を出現させ、なおかつその世界は年齢の壁も超える。
心して置くべきは今後益々そのキャラクターに相応しい商品開発が求められるという現実だ。

「遊びながら学び・学びながら遊ぶ」
遊びと言えば玩具を連想した戦後の30年間、面白いものの殆どが玩具業界から生み出された。
子どもを取巻く環境が変わり遊びに占める玩具の比率が縮む現代、玩具店が今の眼で店を見直すには玩具という商品からではなく、遊びという切り口からアプ ローチするのが最上の方法。子どもは元気に遊ぶのが一番という親もいるが、子どもの才能を伸ばすことを強く意識する親も多く客側が店に求めるものも一律で はない。今玩具店が求められているのは、遊びながら学び,学びながら遊ぶという視点で、その場面を想定した品揃えをして行く店作りなのではないか。
近頃気になるクレヨンの学びと遊びの実例。
ママと遊んでココロを育てるがテーマのサクラクレパスのwith MOMシリーズ。「らくがきクレヨン」16色997円から4000円台のキットまで、母との触れ合いを通して考え,作り,学んで行く。バンダイのクレパス をモチーフにした「サクラクレパスせっけん」(399円)。お風呂の壁や体にお絵かきした後はそのせっけんで体を洗える。
玩具店はサクラクレパスを文具だから、文具店はバンダイを玩具だから入らないと考えるが、客側は玩具,文具何れが開発したかに無関心だ。

「雑貨は楽しさ」
日用雑貨であれば、商品の機能や実用品としての必要性そして価格の安さは重要なポイント。
我々が雑貨と呼ぶ商品は使い道があることは大事な要素だが、それ以上に付加されるカワイイ,面白いなど無形の部分の価値で買われることが多い。またカワイ イ,面白いが話題になるということは、その商品がどのマーケットに属するかとは関係なく、客側が得た情報を基にどの店に行くのかが決められるということで もある。生活必需品は店が決まっていることが多いが無形部分の価値に比重が掛る商品は客が浮遊する。これからは買物に伴う面倒臭さから逃れるために、店か らカタログやインターネット通販へと、振り替えられる需要がますます増えて行く。
競合は同業だけの時代は終り客側の視点で店に来たくなる方策を考えねば生き残れない時代。商品や動機により求められる店が変わることを踏まえ、楽しい商品 を売るでは店自体も楽しくなければならないという視点で店作りすべきだ。

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