マーケット短信 Vol.167 Apr, 13 2009

「キッザニア再訪」
開業前にも一度訪ねたが、孫が仕事体験を楽しめる歳になり先日連れ立って「キッザニア」へ。
午前中入館の組はSC開店前から並び、開店と同時に人気の仕事へ急ぎ午後4時までの間に幾つの仕事こなすかと親との共同作業。親しい友達と親のグループで 来る子どもが多く、空いている仕事情報や昼の席取りはグループの連携だ。
かつてままごと遊びは友達同士の遊びだったが、今は母と子の遊びにポジションが替った。ままごとの延長線上のクッキングトイが好調なのは、例えば「こねパ ン」は自分でパン生地を作り、焼き上がれば自分のパンができるところ。
キッザニアでは、「ピザショップ」は本物と同じ制服を着て、教わりながらピザのベースに色々なトッピングを載せ、焼き上げたピザは特製のミニサイズの箱に 入れたものを持帰り、得意満面で親に報告し一緒にお昼に。同様に「ハンバーガー店」,「ケーキ工場」で働き,「クッキングスクール」は、食育を兼ね米に 拘った食事を作る。
これらの仕事は限りなく本物に近い体験で、自ら完成させた食品を持ち帰る満足感は大きい。
男児と女児では、人気の職業がかなり異なる。「宅急便」は圧倒的に男児に人気があるが、あの制服を着てニコニコ配送に携わる女児もいるし、観光バスのバス ガイドは収入も得られ女児に人気だが、お金を払いお客として乗る男児もいる。
飛行機のキャビンアテンダントは女児に人気でパイロットは男児と、本職と同じ様な配分になるところが面白いが、以外にも「消防士」ではホースで放水する力 仕事に女児も加わっている。双方に人気なのは、ピザショップ,ハンバーガーショップ,クッキングスクール等だが、これは完成品を持帰り食べられるところが 鍵のようだ。
60種類近くある仕事は、出展社も開業時より手慣れて来ているため面白く、幼稚園や学校の休みの時には予約を取るのも大変な努力が要るし館内も混み合う。 それでも子ども達は大いに満足していて、働いて貯めたお金(キッゾ)を「銀行」へ預けるなど次回来る時の準備を怠らない。玩具と本物の間にあるキッザニア のバリューは、子どもの反応を見ていると頷ける処が多い。メキシコシティで始まった仕事体験という子どもへの新しい提案が、玩具と本物の間という永遠の課 題への一つの答えを出そうとしている。

「トートをキャンバスに」
トートバッグにフォーカスするスーパープランニングが、「第3回トート・アズ・キャンバス チャリティイベント」を表参道ヒルズにて開催。
各界の著名人がトートバッグをキャンバスにアートワークを施し、作品の展示は12日まで。作品のネットオークションによる収益は、(社)セーブ・ザ・チル ドレンのキャンペーン“いっしょに描こう!子どもの未来”への寄付に充てる。
4月6日のレセプション、表参道ヒルズの吹抜け大階段でトークショーやライブが催された。

「安心安全という視点」
新学期の必需品を離れてクレヨンに熱い視線。
山田養蜂場「みつばちクレヨン」,サクラクレパス「らくがきクレヨン」など、品切れを起こす程の売れ行きのものもある。背景は子どもの身近な物に対する親の安全安心という視点にある。
天然由来の成分で製品作りを進める新規参入の山田養蜂場、長期間にわたりクレヨンを作り続けてブランドを確立、ミキハウスなど他業界のPBにも製品を供給しているサクラクレパス。
最近の知的な商品に対する母親の関心に玩具店や子ども向けの新業態店などが反応。間違って口に入れても害は無く、駄目な所へ描いても水で消せるなど、クレ ヨンに関する安全安心が母親の心を捉えて新たな需要を喚起している。
玩具店の売りものが遊びであるならば、定番のぬりえで遊ぶにはクレヨンが必需品と繋がり、クレヨンを置くならばらくがき帳や画用紙を置いて遊びの幅を広げることで売場に厚みが増す。
意欲的な玩具店はぬりえの傍に子ども対象として12色のクレヨンを置くが、先に見る様に安全安心時代の母親はこれだけでは不満足。子どもだからこそ安全安 心なクレヨンを前提に、買う側の選択の幅を拡げなければ時代に後れる。
安心安全な物作りはメーカーの責任だが、販売後のケアは小売の責任だ。子ども達がクレヨンを使えばどの色も同じスピードで減るはずは無く、その度に12 色,20色のセットを買うのでは堪らない。自店で最初に20色の箱入りを買って貰った人には、減った色を1本だけ買えるようにするのが小売の本来の仕事。 文具屋店に行って下さいと断るのは簡単だが、顧客の不便さを解決する気の無い小売店から客の足は遠のく。

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