マーケット短信 Vol.173 Jul, 12 2009

「岐路に立つサマーソーシングショー」
7月に単独で開催していたギフト,ハウスウェア,トイの香港サマーソーシングショーが、今回はファッションウィークと同時開催になった。
サーズが猛威を振るった年に4月のショーがビジネスとして成立せず、同様の内容で7月に急遽開催されたソーシングショーだったが、4月が従前に戻った後もそのまま継続されて来た。
時期的なこともあり少しずつ出展社も参加者も減り、今年は更に出展が減って単独開催は不可能でファッションウィークとの併催になった。主催者にも来場者に とっても費用対効果は勿論だが時間の無駄は更に大きな問題で、サマーソーシングショーは岐路に立ったと言って良い。
勿論ギフト,ハウスウェア,トイの何れもファッションとの関連はあるが、ソーシングの担当者は通常別人であり、継続するのであれば新しい視点からのショーの再構築が必須条件になる。

「久し振りのapm」
開店した頃には何度か足を運んだが、暫く振りで行った香港の觀塘駅そばのSC「APM」。
土曜日ということもあり大変な客数、地階のジャスコは通路が人で埋まるという感じまでした。
香港には日本の小売業,飲食業が多数出店し、日本の商品はあらゆるものが入って来ている上に、日本の文化は香港の若者に人気がある。このSCもキーテナン トのジャスコに始まり、無印良品が大型の店を出店、もう一のキーテナントとして日本人が経営する「シティスーパー」が、自社のSMに併設している日本企業 を含むフードコートのみで出店した。最近になって自社のSMに隣接して独立展開の「ログ オン」という雑貨店を新しく導入したが、この店は日本で言えば「プラザ」や「東急ハンズ」に近い商品構成で、若い層が寄って見たくなる店作りで客数も多 い。
シティスーパーの本業はスーパーマーケットだが、ここではジャスコがキーテナントであり、開業時にはフードコートの運営のみで出店した。SMが本業以外の フードコートで出店するというところがユニークだが、これまでも自社のSMに併設したフードコートは客側の評判も良く成功している。この辺りは日本の GMS出身者が持つSMを核とする施設を成功させるノウハウと、日本人の武器であるきめの細かさのなせる業か。

「業態開発」
先日雑貨店の行方について雑談をしていた際、「ヴィレッジヴァンガード」以後はこれぞ新業態と実感できる店が出ていないという話になった。“ファンシー ショップ”の出現が多くの女性に新鮮な驚きを与えたことは、都会と同タイプの店が地方SCに出来ると中高生間に情報が伝播、大挙して来店する中高生の笑顔 で証明された。今のバラェティショップはその延長線上にある。
雑貨店は「東急ハンズ」,「無印良品」,「ロフト」と魅力ある業態を生み出し続けたが、世間が新業態と認める店はヴィレヴァン以後出ていない。時代の要請 もあり生活雑貨店を標榜する店は続々生まれているが、多くはこれまでの店の延長線上にあり気になる店は「フランフラン」位で、むしろ「イケア」が雑貨店と しての存在感を持つ。
現代は多くのジャンルでセレクトショップが主流になっているが、雑貨店は生まれた時から業種に属さず業態化が運命づけられていた。
今の雑貨店の閉塞感は業態化という言葉すら忘れメーカー,問屋からのMDに安住して、小売業が本来なすべき客側がわくわくする店作りを、何処かへ置き忘れて来た処から生まれている。
感動的な店というのは、店を開発するものが相当の覚悟を持って時間を使いそれ以上に知恵を搾り出して作り上げるものではないだろうか。古い枠の中からは魅力ある業態は生まれ得ない。

「展示会の中味」
文具「ISOT」、玩具「東京おもちゃショー」と、今月は身近なマーケットの大きな見本市が続く。
先に行われた「ディズニーEXPO」は内容のある展示会だった。しかしその後催された”バレンタイン&ホワイトデイ”は、キャラクターが主役の細 分化した催事の単独展示では、来場者を満足させることが難しいことが強く印象に残った。
基本的に小売業は新製品導入に関心を持つが、とりわけ雑貨と玩具は導入に貪欲であるべきだ。
見本市主催者の関心は来場者数にあるが、小売側は自店で取り込める商品或いは新規部門の発見が鍵で、ISOTの”ベビー&キッズワールド”の特に 輸入玩具には見るべき個性の芽があった。部門特化の「ぬいぐるみ7社見本市」では、商品をセレクトしアソートメントする力の定着が、雑貨店の個性を作る源 であることが確認できる。

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