マーケット短信 Vol.174 Jul, 28 2009

「価格で支持される小売業」
今米国で消費者から支持されている小売業は、「ウォルマート」,「ダラーストア(1㌦ショップ)」そして「アウトレットモール」だが、日本でも価格に基点を置いた業態の勢いが良い様だ。
今月9日開業の「あみ(阿見)プレミアムアウトレット」は、開業直後の土日は来場者が9万人。
米国が先導したSCの新業態アウトレットモールは、これまでのSCの立地の枠を外し、正価が当り前のブランド商品の価格の枠も崩して日本市場に参入し、魅 力あるブランド商品の圧倒的な価格訴求力で日本のマーケットに定着した。
日本では大都市から車で1時間はかかる立地の超ブランドも組込んだアウトレットモールと、ブランド品を安く買えるという認識で比較的近場から人が集まるアウトレットモールの2種類。
当分の間、三井不動産による「三井アウトレットパーク」と、チェルシープロパティの手になる「プレミアムアウトレット」の、2強が主導するアウトレットモールの勢いは止まりそうもない。
価格と言う面では、「H&M」,「フォーエバー21」などのファストファッション、立地を郊外から都心へシフトする「サイゼリヤ」や、隙間を埋め 尽くす様な立地もある「日高屋」等の、低価格を訴求する飲食にも消費者からの強い支持がある。
大手小売業でも、相次ぎディスカウントを前面に打ち出した業態への注力が発表されている。

「売り方の無形の部分」
小売業では商品を見るだけで売れる、売れないの判断をしてしまいがちだが、モノ余り時代には何か違う理由で売れたり売れなかったりすることも、時々起きているのではないだろうか。
モノが買われる要因の一つは商品そのもの、一つは価格そしてもう一つはサービスと考えると、店の形態にもよるが、特に意識すべきことは無形の部分での顧客 満足度ということになる。小さな店ほど顧客の背景をつぶさに知るということが大事で、最後は何かに触発されて買いたくなる衝動が起きる場面の創出に行き着 く。
ヒット商品に過度な期待をすることよりは、きめ細かい品揃えや気遣いのある接客など、人が関われる部分を強化することが、どれほど店を強くするかを改めて考えるべき時が来ている。
他が真似られない店の個性を作るのは人の力だ。

「東京おもちゃショー」
おもちゃショーは出展社,来場者共に変化したが、変わらないのは子どもとおもちゃの関係で、対象年齢は大きく変わっても、おもちゃを通過しないで大人になる子どもは先ずいない。
TVの無い時代におもちゃ年令であった者からすれば、家にTVがあるのが当り前の子どもたちの、生活の仕方の変わり方は将に様変わりだ。TV普及後の子ど もを取り巻く生活環境の変化は、親子の関係や遊び方の全てに関係し、この変化が玩具マーケットに多大な影響を齎した。
かつて玩具が輸出の花形であった時代から、日本の経済成長と共にマーケットも伸張、ベビーブームで出生数が伸びた時代には、玩具は国内市場へ大きくシフト した。その時代のおもちゃショーは、消費者がおもちゃと考える全てのものが出品されていたといって良く、小売業,卸売業、海外からのバイヤーなど関係者が 大挙訪れた。中でも小売業は、年末の売場作りを念頭に熱心に各ブースを見て回るのが常だった。その後おもちゃショーからゲームが離れ、模型が離れ、最近で はぬいぐるみも独自のショーに軸足を移したのは、玩具小売業の構造変化との絡みが最大の理由だろうが、少子化と巨大小売業の出現によるマーケットの変化 は、玩具専門店の存続そのものを危うくするまでになった。
現在の玩具専門店では、かつて玩具というカテゴリーの中に入っていたゲームもプラモデルもぬいぐるみも、買う側が満足できる品揃えというには程遠く、おも ちゃ屋でしか扱っていなかった輸入玩具も雑貨店の積極性に遅れを取る。
東京おもちゃショー前に開催のISOTには輸入玩具が揃って出展、ぬいぐるみの7社合同見本市も魅力的だったが、この二つはおもちゃショーで小売業と消費者に見せたいものの双璧。
消費者から見ると、おもちゃショーに「Wii」がないのも素直におかしい事ではないだろうか。

株式会社 葉佐商品研究所 〒158-0095 東京都世田谷区瀬田4-31-13  TEL03-3707-4453