マーケット短信 Vol.175 Aug, 9 2009

「あみプレミアムアウトレット」
先月9日開業のチェルシー8ヶ所目の「あみプレミアムアウトレット」は、直後の土日は来場者が9万人。先週のウィークデイも大変な車で、ナンバープレートも茨城,東京,千葉と広範囲。
この地域ではトイザらスの1号店以来の話題で、チェルシーは最初から拡大のための2期工事を想定しているため、今後も週末や観光シーズンに大量動員を見込 める施設が出来上がった。’12年には高速道路使用で成田空港から20分と言う立地になり、ニューヨーク郊外のウッドベリーコモンプレミアムアウトレット 同様、高速道路の出口がSCの入口という好立地でもある。
このSCのテナント構成の特色は、主力のアパレルやスポーツブランド以外のカテゴリーに面白い店が多いこと。「レゴ」,「シルバニアファミリー」,「コン ビ」は子ども連れの姿が目立ち、雑貨は「オフノオン」,「たち吉」,「ティファール」,「プラザ」,「ペットパラダイス」とバラエティ豊か。最大の話題は 食品の「フォション」だが、同レベルのブランドは2期工事以降に期待となる。

「ボーネルンド あそびのせかい」
ボーネルンドのあそびのせかいを具現化した「キドキド」が8日”ららぽーと東京ベイ”に開業。施設はFCを含めこれで9ヶ所の展開で、年内には12ヶ所位になり数年後には20ヶ所を目指す。
ショップと遊び場が連結し全体としてL字型のスペースは、川崎店同様片側の壁面がオープンで外が見えるのが良く、全体に開放感がある。エアトラックで精一 杯走る子どもの姿が印象的で、6万個入れたボールプールには立体の遊具が組合わされ、壁面にマグネットを貼り付ける遊びは所々に下絵が書かれるなど、遊び のキッカケ作りという視点からの仕上りは上々だ。
「インドアプレイグラウンド(インプレ)」と呼ばれる施設の成功は、一方では遊びの世界を広げるが、もう一方では、玩具と言う完成された遊びを売ることの 難しさを際立たせもする。“遊びのキッカケを作る”は現代の子どもに対する究極のテーマであり、今後の遊びは有形(道具)と無形(サービス)の融合が決め 手だろう。遊びのキッカケ作りと遊びの効用の実感のために、共催企画としてでも東京おもちゃショーへの「キドキド」の出展(出店)の実現を期待する。

「玩具の行方」
玩具小売業界に、何れも靴小売業からチヨダが「ハローマック」,マルトミが「バンバン」なる郊外型の玩具小売チェーンで参入し、破竹の勢いで展開した処へ 「トイザラス」の上陸。「トイザラス」が全国にチェーン網を張り巡らせた処へ、「ヨドバシカメラ」,「ビックカメラ」古くから玩具を扱かう「上新電機」, 「ヤマダ電機」等の家電量販店がポイントと価格訴求で参入し急伸張。
30年足らずの間に経験したその過程は、玩具小売業のポジショニング喪失の歴史とも言える。
先日「ジェスネット」の広瀬会長より山口商店,ヤマグチそしてジェスネットへと、自らの決断と会社の成長の軌跡を綴った本をいただいた。
この本でも触れられているが、キディランドの札幌進出の折、地元有力百貨店の圧力で札幌の問屋全てが門戸を閉ざし、北海道で只一軒ヤマグチだけが取引に応 じた件。北海道一の玩具総合問屋であったその会社が、玩具で日本一になることに自社の将来像を描けず、理由があって任天堂に特化した決断。その後幾度かの 困難は経たであろうが、人も含め全く質の異なる会社になった現在のジェスネットがそこにある。
小売業が疲弊した処にその業界の発展は無く、アメリカの強大なマスによる小売主導型マーケットには、本当の意味での消費者側の選択権は無いように思う。自 らのポジショニングを確立する気概を持ち続けなければ、消費者側から見て最も大事な選択の幅を保ち得ないではないか。夫々が固有のポジションを自らの手で 捉えなければ、玩具小売業の未来が開けることはない。

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