マーケット短信 Vol.177 Sep, 9 2009

「35年前のヨーロッパ視察」
キディランド初の海外派遣で、ヨーロッパの玩具店を訪ねる18日間の旅に出たのは35年前。
ドイツでは小売主宰のボランタリーチェーン「フェデス」本部を訪ね、ニュルンベルグ駅前の直営店「フィルニッヒ」や、ミュンヘンの市庁舎前広場に面した玩具店「オブレッター」へ行く。
スイスではチューリッヒの駅前通で自前の玩具博物館を持つ「フランツカールウエバー」を訪問、4階の人形売場で見せて貰った引き出しに整然と並べられた人形用の靴のストックに驚嘆。
ローマの「カーサ・デ・バンビーノ」は、12時に店が閉まり2時迄の昼休みは社員も家に戻る。
英国は地主が女王陛下という立地の「ハムレーズ」が、規模も雰囲気も王者の風格があった。
最後のパリは、「オ・ナン・ブルー」を訪問。自分達で探した籐の篭に陶器のティーセットをいれ、セロファンラップにリボンを結びオリジナルとして売るな ど、いかに個性を出すかに腐心。パリの専門店は昔も今も自動ドアの店は先ずないが、この店は買物袋を持ったお客様を店員がドアを開けて送り出していたのが 印象に残る。

「パリの玩具店」
一昨年は店が無くなり驚いた玩具店「オ・ナン・ブルー」が、移転して開業した店を見る。ブランドショップが立ち並ぶサントノーレ通りで、独自の品揃えと行 き届いた接客により名を馳せた店が、ここも観光客が多く賑わうマドレーヌ寺院の傍に移り祖母の遺志を継いで孫娘が奮闘。35年前から何度も来た店だが、商 品はとも角人が変わり心の篭ったサービスは薄れたようだ。
サンラザール駅前の玩具店「ラ・グラン・レクレ」、1,2階を使う大型総合玩具店で昔は日本のでも同タイプの店があったと懐かしい。レクレは玩具専門店 チェーンではトイザラスに次ぐ売上2位企業で、先述のスイスの「フランツカールウエバー」の10店舗もここが買収したとのこと。今パリで一番気になる店 は、書籍と音楽,映像ソフトの大チェーンフナックが展開する「フナック・エヴェイユ&ジュ」。子どもの好奇心や想像力を刺激する玩具,本,CD,DVDな どを扱うが、商品のセレクトと共に売場の雰囲気もスタッフの対応も良く、プランタンを含め42店を展開。書籍から玩具への接点は現状ではここが一番。

「小売の協業」
キディランド原宿店がビルに建替えられた頃、ドイツの小売主宰の玩具のボランタリーチェーン「フェデス(VEDES)」の一行が視察に訪れた。当時のキ ディランドは玩具の比率が高かったが、地階が生活に必要で楽しい雑貨、3階が日本に関する書籍を初め日本的なギフト関連の商品群で、1階玩具,2階ホ ビー,4階人形というフロア構成は、フェデスのメンバーの想像を超え、扱っている雑貨に質問が集中したのを思い出す。現在フェデスの加盟店は1300店 で、昨年フェデスを含む新しい巨大な専門店組織の連合が発足、玩具専門店に幅広く強い背景が出来た様だ。
フランスの「ジュエクラブ」は、338店が加盟する協同組合。パリの中心部にある商業施設”パッサージュプランス”の殆どを使って展開する組合直営の「ビ ラージュ・ジュエクラブ」。独立した小さな店を家に見立て、”人形”,”木製”,”知育”,”ゲーム・パズル”,”ベビー”など10数個の専門店を絡み合 わせた展開が出来るのは羨ましい。米国にも協業、FC等の玩具専門店チェーンがあり、日本でもNTC的な何らかの形の協業がない限り小売業の生き残りは難 しいのではないか。

「メゾン&オブジェ」
通常はニュルンベルグトイフェアの前に1月のショーを見ており始めての秋のショーだったが、時間をかけて話すことも可能な雰囲気があり、2日間掛けてじっくり見ることが出来た。
とに角このショーは、自分で会場へ来て直接見て身体で感じなければ意味がなく、勿論商品は大事だが商品だけを求める通常のショーとは一線を画するところが素敵なショーの所以だ。
これ迄は家と言うハードにコーディネイトなどの言葉で商品の接点を見つけることで、ビジネスが成り立ってきたように思うが、これからは生き方,住まい方な どのソフトから、家の中に商品の居場所を作ることの方が余程大事になる。
「ヴィラック」,「カルー」,「シュタイフ」,「トゥルーディ」,「マンハッタントイ」など、チルドレンワールドも充実し、生活に関わるもの全てが対象になることへのショーの実践が進むかの様。
開店時に博品館へ導入したキャンドル「ポイント・ア・ラ・リン」のブースで、日本での展開や商品のことなどを話す機会を持てたのは収穫。

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