マーケット短信 Vol.180 Oct, 27 2009

「ニューヨーク定店(点)観測」
ニューヨークへ行くと必ず見る店がある。
五番街は「FAOシュワルツ」から同じサイドを南へ歩くと、通りに沿って順番に定店が現れる。
今年トイザラスが買収した「FAOシュワルツ」は、クリエイティブヨーコの”マザーガーデン”は既に無く、”マダムアレキサンダーの人形工房”も縮小の様で、普通の人形売場になりそうだ。
次の「ディズニーストア」は旗艦店として随分時を経たが、店内環境,階別構成,ディスプレイなどに左程の変化は無く、3階で展開のギャラリーも以前と較べ内容雰囲気共に魅力が薄れた。
「アメリカンガール」は何時も女の子で溢れているが、通販から始まってリアルな店を持つ戦略はシアーズ以来の伝統的手法とも言え、物販とサービスが混在する楽しい販売手法は健在だ。
次の「ビルド ア ベアー」で日本と最も違うのは若い男性にとって無くてはならない店であること、バレンタインの男性の買物を見て欲しい。
タイムズスクェアは「トイザラス」の旗艦店は必見で、「ハーシーズ」,「m&m’s」の菓子に、「サンリオ」と「無印良品」の日本勢も頑張ってい る。ソーホーでは、ジルサンダーとのコラボを大々的に打ち出した「ユニクロ+J」の発売日にぶつかり、入場待ちの列に並ぶことになった。進出当初とは異な り、ユニクロの認知度は格段に上がり、年々若者にブランドが浸透して行く。

「アメリカの玩具店様々」
先日行ったルーズベルトフィールドSCに、新しい玩具店が出現。如何にも専門店らしい品揃えで、このSCに相応しい雰囲気を持つこの店は僅か2週間前に出 来たばかりだそうだ。以前ここには、幅広い教育玩具とイベントをスケジュール化してアピールする大型店の「ヌードルキドゥードル」あったがそれに代わる店 が出来た。
もう一つは米国のトイザラスが、前述の「FAOシュワルツ」の買収に次ぎ、”ホリデイエクスプレス”なる季節業態で全米のSCに出店開始した。ニュー ジャージーの人気SCにできた店は、退店した店の跡を居抜きで借り什器と商品を持ち込み、ホリデイシーズンで稼ぐ目論見の簡易店だ。玩具専門店受難の時代 にSC側は諦めず玩具店を追いかけていたようで、客側の要望を汲んで実現する米国のSC作りの一端を垣間見た感。

「見本市を振り返る」
今年最後のショーである香港「メガショー」へ行き、同時にこの一年のショーを振り返った。
年初の「香港トイフェア」は、香港(中国)がソーシングでは№1であることを実感するショー。
2月の「ニュールンベルグトイフェア」は、将に玩具総合見本市でその違いは歴然としている。
「ニューヨークトイフェア」は、メインターゲットをスペシャルティに絞ることで、客側の視点からの存立基盤をより確実なものにしたようだ。
その他各地のトイショーは、押しなべて夫々の国内へ向けてのショーという位置付けになる。
雑貨,文具でも中国のソーシングにおけるポジショニングは変わらないが、玩具を含む軽工業品は、中国の中で上海の組織が香港で新たにショーを開催する動きがあり愈愈競争が始まる。
香港空港の隣の駅に直結した新展示場への上海からの出展は来年のスケジュールも決まり、香港側の開催日と数日は重なる日程が組まれた。量よりは質で印象に 残るのはパリの「メゾンエオブジェ」で、消費者側の視点で見ると特に日本では、欧州のショーが益々重みを増して行く。
今年も国内で幾つものショーへ行ったが、玩具以外では規模の小さいプライベイトショーに惹かれるコンセプトや商品が多くあり、特にマスを狙い難い雑貨に関してその傾向が強かった。

「ライセンシングショー2009」
5月のラスベガスのショーもそうだったが、無形のビジネスも景気の影響を強く受ける時代。
10月のライセンスアジアもこれだけ小売業の業績が悪いと、小売業自らがブランドやキャラクターを使用することに積極的にはなり得ない。アメリカのように マスもそうでないところも、一様に自社のPBを作る事を当たり前とする国とは違い、日本では日本のマーケットに対応する方法を確立すべき時が来ているので はないか。
突き詰めると小売が使用する際のメリットを、更に深く考える処に道が拓けるように思う。

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