マーケット短信 Vol.251 Oct,10 2012

「スチュー レオナルド1号店へ」
久し振りに「スチュー レオナルド」1号店へ。
ニューヨーク中心部からは車で1時間と少しかかるが、かつてこの店の経営者が”スーパーマーケットのディズニーランドにしたい”と語った店は、当時の雰囲気を残し来店者を魅了する。
基本的なレイアウトは入口からレジまでの一方通行方式だが、来店客は誘われるままミルクプラントで牛乳をパックする最終工程や、パン作り、肉のプリパック等を見ながら買物をする。
模型列車が上を走り通路のコーナー上部で店名入りミルクパック楽団が演奏、鮮魚売場ではロブスターのぬいぐるみが鉄棒で大回転を披露。何度も見た光景だがミニアトラクションの主役が常にその役を果たすことの有用性を確認する。
出口で自家製ミルクによる評判のアイスクリームが売られ、買ってしまうのもいつものこと。
最近の視察は距離の近い二ューヨーク郊外の3号店にばかり行っていたが、ギネスで世界一の坪効率を認められたこの店の佇まいは、矢張りこの店だけのもので他では得難いものの様だ。この店は変わらないことの魅力を教えてくれる。

「ニューカナンの駅前通商店街」
コネティカット州ニューカナンは、ニューヨークのグランドセントラル駅から電車で1時間程の小さな町。駅舎もない終点の駅から続く駅前通商店街は、アメリカにもこんな素朴な商業施設があるのかと不思議な気持さえ抱かせるほどの、喧騒のない時間の流れる素敵な異空間だ。
駅から歩き出すと緩やかに左に曲がるやや下り坂の道は坂を下りきった処でT字路になる。通りの両側に並ぶ店は良く知られたナショナルブランドは目立たず、子供服,玩具,インテリア雑貨の店は殆んどセレクトショップで、「ラルフローレン」や「パピルス」も町に溶け込み、「ダンキンドーナッツ」もいつもとは雰囲気が異なる。
店前のパーキングの他に町の駐車場もあり、ショーウインドーで個性を表現する店が連なる通りは、散策しながらのショッピングも楽しい。
背景になるのはこの町に住む人々の生活のありようで、木立の中に立つ家は車道から遠く離れ、大きな屋敷同士は隣との距離も開いている。
この商店街にSMはないが、車で15分の「スチュー レオナルド」が強い味方なのかも知れない。

「クレオラ社訪問」
今年の米国流通視察はサンスター文具桃井副社長のご尽力でペンシルベニア州のクレオラ社を訪問、社の概要や目指す処などの日本語解説付きのビデオが用意されるなど大歓迎を受けた。
1903年創業のクレオラは、世界84カ国で12の言語に対応しビジネスを展開しているが、特に米国では玩具メーカーとしても売上げベストテンの常連で、その存在感は売場で確認できる。
米国では普通に文具を売る専門店が姿を消し、学用品を買う時はディスカウントストアかオフィススーパーストアへ行くしかないのが現状。
「ウォルマート」,「ターゲット」,「Kマート」などの文具売場ではアート&クラフト、アートサプライなどのボードを掲げ子どもの創造性を伸ばす商品の売場が拡大されているが、この部門でのクレオラのシェアは圧倒的。オフィススーパーストアでも子供の商品は殆どを同社が占める。
同社は自ら使用する電力を産出するため大量のソーラーパネルを設置、生み出される電力で本社と主力工場の需要を全て賄うが、ペンシルベニアの主力工場は1日当たり200万本のマーカー、1,300万本のクレヨンの生産能力を持つ。
因みに同社は現在ホールマークの傘下にある。

「タイムズスクェアの賑わい」
ニューヨークへ来る度に思うが、タイムズスクェアの人出は衰えることを知らないかの様だ。
80年代にニューヨークに来た時には、必ず何人かまとまってホテルから42丁目辺りまで歩いたが、むしろ怖い街の印象が強く残っている。
今はニューヨーク市の再開発計画にディズニーなども協力した結果、ファミリーでも楽しめる明るい街に生まれ変わり、世界中からの観光客が最終目的地としてやって来るまでになった。
この週末も「トイザラス」,「ディズニーストア」などのいつも見る店に行ったが、ファミリー客の多い両店はエンターテインメントに徹した店であり、国籍に関係なく沢山の笑顔に出会う。