マーケット短信 Vol.260 Feb,18 2013

「ニューヨークトイフェアと玩具店」
ニューヨークトイフェアはかつてトイビルとジャビッツセンターの2ヶ所で開催され、集まる玩具関係者はこの二つの間を足早に往来した。

特にトイビルとその周辺は玩具の主要メーカーが集積、トイディストリクトとも呼ばれ小売業のバイヤーが分刻みで動き活況を呈していた。

その後米国の玩具市場は、急伸するディスカウントストアとトイザラスがマスを形成主導する時代になり、見本市もマス対象とマス以外のスペシャルティを主体にするものへと分化した。

トイビルの売却が決定した後見本市はジャビッツセンターに集約され、マス以外に重点を置くものへと移行し機能も来場者も大きく変った。

最近米国の専門店がフランチャイズを含めチェーン活動を活発化、SCに新店を出す動きがある背景にも見本市の機能の変化があり、見本市と地域の専門店の浮沈に大きな相関関係を見る。

今回はマンハッタンの中だけではなく郊外へも足を伸ばし玩具専門店を訪ねたが、日本では成立し難い駅前商店街に個性的な専門店があるのが珍しいことではないのを見て心強く思った。

最近は大型のRSCよりもライフスタイルセンター(LSC)のような小型SCで新店を良く見るが、DS主導のマスの更なる伸張にも、米国の玩具専門店は見本市を味方に対応策を見出した感あり。

「コネティカット州グリニッチ」
コネティカット州グリニッチの街へ行った。

富裕層が多く住むというこの町のメインストリートは、駅からはやや上り坂の駅前通り商店街。「ティファニー」,「ラルフローレン」,「タルボット」,「ザラ」,「パピルス」など著名ブランドが軒を連ね、店舗数は約200。核になるのは1キロ以上続く通りの一番奥にある自然食品の「ホールフーズマーケット」と坂の中間にある「サックスフィフスアベニュー」。教会,映画館,葬儀社の他少し離れて「ニューヨーク日本人学校」もある。

特筆すべきは玩具の「グラハムス」。世界中の玩具の中から価格に見合う価値のあるものを選ぶとのことでここにしかないものが多く、経営者の人柄が醸し出す優しい雰囲気が魅力の店だ。

店の奥には子どものためのヘアサロンがあり、売場との境目で床に座りおもちゃで遊びながら、カットの順番を待つ子ども達がいる新業態店だ。

「雪のニューヨーク」
アジアは香港,欧州はニュルンベルク,最後の米国はニューヨークでトイフェアの旅が終わる。

バレンタインデー前の最後の土曜日、大雪で寒く繁華街も足元が悪く歩きにくいため、若い男達が列をなす「ビルドアベアー」,女性の多い「ディランズキャンデイバー」に、「ハーシーズ」,「ゴディバ」を始めとするチョコレートショップなどは、この日の客数はかなり少なめな印象だ。

バレンタインデー直前の12日,13日の街は、バレンタインに関係のある店が夫々に忙しい。

花屋,宝石店,チョコレートを含むキャンディショップ,書店そしてビルドアベアーが人気店だ。

カードは、郊外にある店は女性が旦那様や家族へのカードを選び、ビジネス街にある店は男性が奥様へのカードを選ぶいつもの光景がある。

日本では贈る相手に制限がありチョコレート主体だが、お互いに贈り合う米国風も良いものだ。

「FAOシュワルツとトイザラス」
経営が替り新装開業時のシュワルツは、世界一の繁華街を強く意識した店作りで専門化深度を深め商品ラインの幅を拡げたが、その後の紆余曲折を経て「トイザラス」が買収し数年を経た。

その後売場配分には大きな変化はないが情報の共有は進んだ様で、細かく見るとカテゴリー毎に手が入り売れる雰囲気を持つ売場になった。

手が入ったのは2階の人形ストリートで、「マダムアレキサンダー」の人形工房をコンパクトに纏め続く「コロール」などの欧州の人形へ繋げ、トイザラスでは定番の身辺小物「ファッションエンゼル」と「モンスターハイ」を導入、奥の「バービー」と売場拡大した「ハローキティ」へ続く。

「シュタイフ」,「レゴ」「アレックス」などの新旧の人気ブランドは独立させ、開店以来の人気アトラクション「ビッグピアノ」や1階の「マペット工房」にキャンディ売場は楽しさが満杯だ。

「アメリカンガール」は、「マテル」が買収後も独自路線で消費者に周知されていないのに対し、「トイザラス」買収後の「FAOシュワルツ」は、シュワルツのPB商品をトイザラス各店(日本を含む)に導入し、売れ筋商品の情報も共有して売場に反映させているように見えるのとは対象的だ。

周知されているストアブランドの両極端に見える対応は、消費者にどう映っているのだろう。