マーケット短信 Vol.263 Apr,12 2013

「武蔵小杉東急スクェア」

 武蔵小杉駅に隣接する「東急スクェア」が開業。

1F~5Fを使う程々の規模のSCは、1階の一部と5階の全てを使い公立図書館,保育所,学童保育,学習塾,ネイル,リラクゼーション,美容室等の多様なサービス業が集結。また4階のレストランフロア以外の階にも、カフェを中心に飲食関係の店が置かれているのも時代の要請だろう。

ショッピングセンター開発に関わる企業も長い時間を経、立地特性に合わせたテナント構成の細部に渡って目が行き届くようになり、ここでは駅隣接と規模の面から物販は利便性に重きが置かれ、それがこのSCの特性にもなっている。

最近のSCはファッションに次ぎ雑貨系が多くなるが、このSCで3階と4階に配置された雑貨店は、相互補完関係となる商品と独自の魅力を持つ処を小型化してまで入れた意図が見える。

「3COINS」,「Hare no hi(木糸土)」,「靴下屋」などはこれまで通りで展開可能だが、大規模店を得意とする企業は小型化への挑戦が求められる。

東急ハンズは既に小型業態「ハンズビー」を展開済みで今回も4部門での構成だが、大型店の方が魅力的な「KEYUKA」と「George’s」は今回の立地と店舗規模は商品政策の組み直しが求められ、結果が今後の出店戦略にも影響を及ぼしそうだ。

食品は「マルエツ」と「東急フードショースライス」で、東急はディベロッパーに徹した様だ。

「イオンむさし村山SC」

 このSCは他の大型SCに比べ低年齢層を対象にする雑貨店が少なかったが、リニューァルを機に「キディランド」,「ダッドウェイ」,「コンビミニ」が出店、3階の店舗構成がかなり変った。

ボーネルンド「キドキド」は三越退店後の開業だが、時代と立地が後押ししSC内用”きゃらくるカート”が朝から店頭に10台並ぶほど好調だ。

最近のSCのリニューアルでは飲食,サービス関連の店が増え或いは小売業がカフェの導入を図るなどし、坪効率も物販を上回る処が増えた。

帰途五日市街道沿いの「若葉ケヤキモール」へ。

‘06年の開業時には日本初のライフスタイルセンター(LSC)と喧伝されたが、米国の様な富裕層狙いは無理だった様で、核店の高級スーパー「リンコス」は「マルエツ」になり、店の入替わりもあって創業時の輝きは失われたように感じた。

「総合小売業の小型業態開発」

世界の主要総合小売業が挙って小型スーパーマーケット展開に注力しているが、先駆けは「テスコ」が1994年に1号店を開業した売場面積205㎡の、短時間で買物を済ますことができる

“エクスプレスストア”と呼ばれる新業態店だ。

テスコは最大規模のハイパーマーケットから、最小の業態「テスコ・エクスプレス」までの4業態をもって、英国の小売首位の座に上り詰めた。

更にテスコは小型スーパーマーケット「フレッシュ&イージー」を開発、2007年に米国ロサンゼルスに1号店を出店し既に300店を展開し、それに呼応して「ウォルマート」が2011年に開発したのが、「ウォルマート・エクスプレス」だ。

この業態は「ウォルマート」がこれまで主力業態として来た「スーパーセンター」の出店を抑え、4業態中で最も小規模な「ウォルマートマーケット」の3分の1の約400坪の業態を開発するもので、これ迄より更に客の住居に近い場所への出店を強化すべく多店舗展開を実験中のものだ。

米国ではエクスプレスは小型店をイメージし、ニューヨークで地下鉄駅を出る度にある「デュアンリード」はドラッグストアのエクスプレス、数ブロック毎にある200坪未満の「ステープルズ」はオフィススーパーのエクスプレス業態だ。

日本ではイオンが東京、神奈川で既に330店を展開し、なお伸張を続けている「まいばすけっと」が、エクスプレス業態の先駆けになるだろう。

 

「プライベートショー」

 雑貨はプライベートショーの季節になった。

玩具などと比べると雑貨は季節指数の上下動が少ないため売場作りに大きな変化を付けにくく、この時期の見本市で取り上げられるダイアリーやクリスマス用品などの扱いの巧拙が、1年間を通しての売上げ作りに大きな影響を及ぼす。

日常の細かい仕事に忙殺されがちな雑貨店も、一年で唯一と言える大セールに向け季節に先んじた売場作りを考える時機の到来を確認したい。