マーケット短信 Vol.265 May,10 2013

「香港のギフトショー」
香港の2大ギフトショーは4月の香港貿易発展局(HKTDC)主催のものと10月のメガショーで、共にコンベンションセンター全館を使用するが、10月の民間主催より4月の国主催のショーの方が機能の改善意欲や客側の視点での対応に勝る。
今回も海外からのバイヤーの積極的な誘致と、買付けし易い数量に特化したスモールオーダーゾーンには90ページの出展者リストプラス説明担当者の存在など出展者を支える仕組がある。
ショー全体としては東南アジアからの出展者の増加などソーシングショーの色合いが濃いが、「Hape」の様に既にブランドが確立している企業は木製玩具よりデザインが優れ機能性のある竹製品に注力する様な、レベルが上がり個性を売る企業も増えショーの異なる側面も見えた。

「高まるトイザラスのPB商品比率」
香港の「トイザラス」を見ていつも感心するのは、自社オリジナル商品に対する力の入れ様だ。
以前よりPB商品のみのパンフレットを手渡ししていたが、今は“ブランド(BRANDS)“というタイトルの小冊子を入口で配る。14ページにわたる冊子はコンパクトで見やすく、認知度向上を目指す意図が良く伝わる内容になっている。
男児玩具では主力の車関係のPB“ファストレーン“が定番化し「ホットホィール」を面積で圧倒、次いで全米最大のホームセンター“ホームデポ“をブランドにした“初めての工具シリーズ“を開発し、PB商品開発手法は一段と進化した。
女児玩具はプレイトイの“ジャストライクホーム“, 人形の“ユー&ミー“に加え、コスメティック,アクセサリーなどの女児の身の回りを彩るPB“tm“を開発、対象年齢は更に拡がった。
トイザラスのPBは世界共通で、欧,米,日本も上記のブランドは全て導入されているが、PB商品への売場配分は国により大きく異なる。
若し日本の「トイザらス」が、主要部門で香港同様に圧倒的な売場面積をPBに与える時には、顧客の反応に神経質にならざるを得ないだろう。
週末や年末の賑いを見ると、香港ではナショナルブランド比率を抑えPB比率を増大させるのを消費者が是認している様だが、日本の消費者へのPB比率50%には高い壁がある。国民性の違いが消費者と店の関係に強い影響力を持つ。

「ゴールデンウィークに人を集めた施設」
ゴールデンウィーク期間中に人が多く集まった施設が発表されその数字を見ると、今年は間に3日間の出勤日を挟み長期休暇が取り難く連休が2度ある形になり行動形態が変ったようだ。遠出するのは国内の近い処にし、日帰りできる近場で連休を楽しむという消費者が数多くあり、行楽地や各種施設の集客に様々な影響を齎した。
首都圏では開業30周年の[東京ディズニーリゾート]が過去最高水準の入園者数で、昨年開業の[東京スカイツリータウン]は4月27日~5月6日に177万人と開業時に次ぐ来場者数を記録。
また商業施設では、4月下旬に20%の店舗を入れ替えた[六本木ヒルズ]は連休中の売上が前年比約40%増加し、新店32店,改装10店と30%の店舗を刷新した[東京ミッドタウン]は30%強売上が伸張、東京駅前の旧東京中央郵便局跡地に今年3月に開業した[KITTE]も賑った。
前号で紹介の[グランフロント大阪]は4月26日開業から5月6日の間に367万人の来場者があった。この数字は東京スカイツリータウンの約2倍にあたり、物販,飲食などが集積する南館が歩くのも大変なまでの混雑と現地からの報告。

「ハイサンプレイス」
香港島の繁華街コーズウェイベイの「香港そごう」向かいに昨年「ハイサンプレイス」が開業。
ここにはファッションの「ギャップ」,「ホリスター」を始め,雑貨,飲食,サービスなど120店が集積するが、最も注目されているのは核店の台湾から進出の書店「誠品(eslite)」で、8~10階の3層に1000坪強で展開する香港最大の書店だ。
この店は書籍に留まらず文具, 雑貨も充実しているがどの商品もデザインや材質の良さが際立ち、セレクトする目の確かさが伝わって来る。
店は高い天井にシックな色合いの内装で落ち着いた雰囲気を持ち、台湾では24時間営業で文化の発信地とまで言われる書店だけに、買物の合間に一休みできる併設されたカフェも人気だ。