マーケット短信 Vol.267 Jun,16 2013

「専門店流通の確立がマーケットを拡げる」
かつて玩具専門店が開業し順調に運営できた陰には、問屋の強いバックアップ体制があった。
時を経て量販型小売業へのシフトが急速に進み、玩具流通は製販の各段階で量販店主導型へ向う。

量販志向のトイザラス,家電量販店,総合小売業の主力商品は相似し、専門店も量販型売場を圧縮した様な売場が多く、客が品揃え,人的サービスから店を選ぶという選択肢は無きに等しい。

日本の現況はかつて流通の要であった問屋が、量販型小売業と専門店双方と取引するのが通常で、説明が必要な専門店向商品があっても案内は双方に行われるため、専門店が商品で量販型小売業との違いを打ち出すことは不可能に近い。

量販型と専門店が同じMD,同じ売り方で戦えば低価格の方に客が流れるのは当然で、価格訴求を避け自ら選んだ商品を説明し遊びと共に売る本来の売り方と、それに相応しい店作りを進め個性を売る以外に専門店の生きる道は無い。

キャラクターグッズが急激に伸張した時代に、玩具店が当時の大きな方向性であった雑貨を導入し現在も残る店はあるが、雑貨自体が岐路に立ち今後の方向性を考えねばならぬ時代は、立地,客層を踏まえ玩具導入を図る店も目に付く。

玩具専門店に顧客が求めるのは必ずしも量販型店とは同じではないことを再確認し、客側の認知を高めるための積重ねを始めるべき時だ。

量販店主導型の米国でも玩具専門店はチェーン化を図り店舗数を増やし、欧州でもフランス本社の2大玩具チェーンが規模を拡大している。 ボランタリー,フランチャイズ等如何なるチェーン形式をとるにせよ、生き残る専門店を軸に製販各層が知恵を出し合い協働し、専門店のための流通の仕組みの具現化が今求められている。

「ボーネルンドあそびのせかい再訪」
大阪例会終了後メンバー10人とともに、先に報告した「ボーネルンドあそびのせかい」を再訪。

4月26日開業後直ぐゴールデンウィーク入り、この施設も予想を上回る客数があり5月3日一日で入館者が1,000人を数えたとのことで、モノとサービスのポジションの交代を実感した。

ボーネルンドは先週創業35周年記念展示会開催、代官山T-サイト駐車場の遊具の展示、蔦屋店内でのセミナー等蔦屋の協力は流石の一言。

「東京おもちゃショー」
来場者へのインタービューで、子ども以上に自分が楽しんだと答える親の笑顔が素敵だった。

遊びはあらゆるモノ,コトとの境目を溶かし且つ共通語としてあらゆる可能性を否定しない。初出展のトヨタ車の着脱光景が大変な人気で遊びが切り口のコラボは見本市活性化の切り札に。

願わくは多様な異業界のバイヤーが来場の際、遊びを切り口にした商品に付加する第一の課題である仕入れの仕組みが見える形になることを。

「おもちゃ大賞」
エデュケーショナル・トイ部門はくもん出版「輪ゴムパターンボード」、ハイターゲット部門はテンヨー「メタリックナノパズル」、共遊玩具部門はタカラトミー「アニア」が夫々大賞を受賞したが、キャラクターの力が牽引するマーケットの流れの中では、何れも地味な商品に見える。

遊び方,使い方ということで見ると、前2点は対象が違っても頭と手先を使い作り上げるもの、もう1点はフィギュアへ進みがちな動物を子供が持ち遊ぶものとし、しっぽが動くなどの遊びを加味しながら、コレクション性も持たせた。

審査側の視点が遊ぶ側の視点と並び、親が子に遊ばせたいモノとしての評価と自らの遊ぶ場面を思い、方向や価格で従前とは異なる商品が選ばれた「おもちゃ大賞」に新しい方向を見る。

「インテリアライフスタイル東京」
回を重ねる毎に充実し、行く価値のあるショーに進化した「インテリアライフスタイル東京」。

生活に関わる雑貨店に求められるのは、多様化する消費者のライフスタイルに対応した店を開発し客側からの店の選択の幅を拡げることで、今後の雑貨店の方向性を考えるためにも、このショーは見なければならないものの一つになる。

このショーの魅力はインテリアライフスタイルに関する世界の優れたデザインに出会えることで、フランス、イタリア、ドイツなど各国がレベルの高いショーを競って開催するヨーロッパ勢が主催するこのショーは得るものが大きい。

雑貨店は本来セレクトショップであるべきことを再確認できるという意味でも必見のショーだ。
期間中のセミナーの中に、パリで人気の「メルシー」のバイヤーの名があることも驚きだった。