マーケット短信 Vol.268 Jun,28 2013

「衣,食から住へ」
日本人の生活の中で、衣,食に較べ遅れ気味の住への欲求が、年代の上の層にも拡がりホームで括られる分野の伸張の可能性が高まっている。

今年開業した都市部の大型ショッピングセンター(SC)では、生活雑貨関連の店舗数が増え特に家具,インテリアを商品政策の核とする企業の積極的な出店が目立つ。都市部の中でも駅直結型の立地のSCに共通するのは、顧客の購買動機に焦点を合わせた商品アソートメントと小型店舗開発とによる、効率的で個性的な店作りだ。

最近はSC側も客側の欲求に応えるべく家具,インテリアにある程度の面積を用意し、駅ビルでも複数店を同一フロアに配置する処が増えた。

4月末開業した大阪駅北側の[グランフロント大阪]では、家具,インテリアで「ACTUS」,「ケユカ」,「アフタヌーンティーリビング」に「ザラホーム」が出店し、西日本最大規模の「無印良品」を始めホーム関連の個性的な専門店が集結した。

横浜みなとみらいの[マークイズ]には、家具,インテリアで「ジャーナルスタンダードファニチャー」,「ACTUS」,「salut」,「ジョージズ」が揃い、ライフスタイル提案型の「スタディオクリップ」,「リーブルメゾン」にホーム関連の専門店「織部」,「かまわぬ」,「ホットマン」などが彩りを添える。

都市型SCに「フランフラン」より上の年代が集う今はホーム関連新業態確立の絶好の機会だ。

「マークイズ みなとみらい」
地下4階でみなとみらい駅に直結、189店が集まる地区最大のSC「マークイズ」が先週開業。

ファッションでは新コンセプトの1号店「RHCロンハーマン」,港町の空間で衣食住を提案する「ジャーナルスタンダード」に、時代が求めるアウトドアブランドを幅広く揃え、異色のオンワード傘下「ペットパラダイスDX」は生体も扱う。

ライフスタイル提案型のホーム関連とファッションを組み合せた2階は夫々に個性的な人気店が揃い、核店舗は地区最大規模の「ユニクロ」。

ベビー&キッズは、「トイザらスベビーザらス」,「ダッドウェイ」,「マザウェイ」、2ヵ月で3店目の「ボーネルンドあそびのせかい」が3階に集結。

館内に30か所ものデザイン、インテリアの違う休憩所、屋上には”みんなの庭”が愛称の果樹園,菜園もあり、将に時代を象徴する商業施設だ。

「ベビー&キッズEXPO」
今年の東京おもちゃショーは玩具小売店が少なく、”一般”のネームタグを付けた異業種の来場者が目に付いたという出展者の感想があった。

おもちゃショーに異業種からの来場が増えるのは歓迎すべきだが、かつて家電量販店が玩具に参入した時代とは違い、求めるもの或いは求めることがこれまでとは大きく変り、来場者の中身が専門店に振れていることを考えるべきだ。

2月のニュルンベルクフェアの有力書店の視察など、書店からの玩具への接近は急速に進む。郊外型雑貨店はターゲットにベビー,キッズのいる母を意識、ベビーから玩具への橋を渡す。

「ベビー&キッズEXPO」の来場者も、併催が雑貨,文具であったせいもあるが玩具小売店は少なく、来場者の目的もトイショーとは異なる。

玩具マーケット全体を見ると、小売段階では生残るために専門店は価格訴求に走らず、量販型小売業が扱う商品は極力避けるのが常道だ。

「ベビー&キッズEXPO」は更に輸入玩具が中核になり、手を掛けて売りたい商品が十分ある上に価格を維持したい出展者が多く、ベビーや玩具の専門店にとり魅力的なショーになった。

人々の生活意識が様変わりした現代、これまでの思考方法だけで状況を大きく変えることは難しく、店自体を異なる視点で見ることが求められていることを自覚すべきで、店そのものとターゲットを捉え直さなければ何も変わらない。

「ISOT」
文具全体としての商品特性は実用性,機能性になるが、これを工業製品と紙製品とに大別すると工業製品は実用性,機能性がそのまま商品特性になり、基本は実用性,機能性ではあってもデザイン性の比重がより大きくなるのが紙製品。

「ISOT」恒例の文具大賞の受賞商品も、新機能を開発したもの,使い勝手を更に良くしたもの,小型化など根底では全て実用性に繋がっている。

紙という資材に拘るのも文具で、同じペンで書いても書き心地が違う紙や,51%が紙49%は樹脂で作られたクリップなど改めて紙を見直す。

このショーで期待をもって必ず立寄るミドリ「デザインフィル」の原点は”デザインと紙”で、今年のお奨めは片面透明袋,鮮やかな色の女性向け折り紙, マプカ素材のエコロジークリップ。