マーケット短信 Vol.271 Aug,7 2013

「ライフスタイルセンター」
最近の米国のショッピングセンター(SC)は、百貨店やGMSが複数入るリージョナル型やスーパーリージョナル型の開発が極端に減り、既存の大型SCは地域№1の地位を維持するため、増床,店舗の入替等大規模なリニューアルへ向う。

現在米国で開発されるSCは殆どオープンモールで、中でも地域に居住する富裕層でライフスタイルも近い人達をターゲットに、地域密着のライフスタイルセンター(LSC)が圧倒的多数。

大規模開発の場合は商業施設に加え図書館,ホール,ホテル等街に必要な施設も同時開発で、LSCは基本的にオープンモールのため開業時に植えた樹木が10年後は見事な並木道になるなど、全体環境や雰囲気も見据えた計画になる。

2006年に日本最初のLSCと期待され開業した[若葉ケヤキモール]は、米国的な富裕層狙いが難しく核の高級スーパー「リンコス」が「マルエツ」になり、多くの店が替わり当初のコンセプトから離れ、日本での成功例とはなり得なかった。

地域に居住する所得や生活意識の近い富裕層を対象に米国で成功したLSCを移植する考え自体が日本では無理の様で、米国型から離れ日本の生活スタイルを軸に構築すべきではないのか。

米国のLSCを見ると自分の住んでいる地域にこのSCがあって欲しいと思うものが多数あり、日本流のLSCが開発されることを期待したい。

「玩具マーケットに見る流通変革」
小売業全体から見てもこの20年で激変したものの一つには、玩具マーケットが挙げられる。

黒船襲来とも言われた「トイザラス」の伸張と共に玩具小売店は激減したが、最も影響を受けたのは異業種から参入し最大500店弱を全国展開し消滅した郊外型チェーン「ハローマック」だ。

その後トイザラスがマーケットを主導する存在になりトイザラスを仮想敵と見做し参入したのが家電量販店で、ポイントと言う異なる手法で仮想敵以上の低価格を武器にシェアを高めた。

現在家電量販店は駅前型店のみならず郊外型店にまで、本格的な玩具売場を設け価格をリードしマーケットに大きな影響を与え続けている。

玩具マーケットの次の変革は、無店舗のネット通販の伸張による影響で大手は共存へ進むが、小型専門店は人と知恵を最大の武器にすべきだ。

「お盆玉」
新聞記事を見て興味を惹かれ早速「ロフト」へ。

目指すは“お盆玉“を入れるポチ袋で、お年玉の時は年に1回主役を務めるポチ袋だが、機会と用途を考えると実家へ帰る機会は正月の他にお盆があり、お年玉対造語の“お盆玉“で用途を創り、全国50店でアピールというのがロフト。

考えて見るとお盆に墓参りに行き実家や親戚へ挨拶に行くのは良くあることで、その際田舎の爺婆や叔父叔母が袋にも入れず小遣いを子どもに渡すこともままあり、年に2回ポチ袋を使う機会を店が提案と言うのはさすがにロフトだ。

目の付け処が良く昨年始めたお盆玉も含めたポチ袋の7月期売上は昨年対比12%増とのこと。

但し実際の売場では、二子玉川店はサインもなく商品もなくただW900定型のポチ袋棚のみで、責任者が当店では不扱いと池袋店を勧めた。

渋谷店は定型のポチ袋棚に小さくお盆玉を表示商品は僅か5種類、商品の袋に“夏のお年玉“とメーカー側の表示がありお盆玉の浸透度は低い。

新聞に写真入りで載った商品が、特定の店は売場を作り主力店でも不扱いなど店の対応が違い過ぎるのは、チェーンとしては如何なものか。

ロフトの良い面と店の判断への懸念を感じたが、この発想は表現次第で雑貨店の武器になる。

「買い物」
前号でネット小売業について書いたが、買う側は有店舗と無店舗を無意識の内に使い分ける。

買物の仕方は多岐にわたった方が一見便利だが、個人を考えると買物ばかりしていることはなく物を買う時は買う店も商品もほぼ決まっており、偶にはする衝動買いも後で考えると良く行く店の中で少し冒険したに過ぎない事が多い。

要は無店舗の場合はより強く買物時間,商品の機能,価格などを意識し、実在の店では買物そのものを楽しんでいる部分が多いのではないか。

小売業の基本は客ありきで、商品も陳列も提案も接客も全て客側から見直すのが基点になる。