葉佐弘明の「マーケット短信」 Vol.272 Aug,29 2013

「スターバックス」

 アメリカに滞在し「マリオット」や「シェラトン」などのチェーン化されたホテルに宿泊する際、最近気になっているのは「スターバックス」の存在だ。

ロサンゼルス滞在の際はSCや店を訪ねる時に乗るバス停がホテルの傍にある空港エリアの「マリオット」か「シェラトン」に泊まるが、徒歩数分の両方に「スターバックス」が出店している。

慌ただしい朝はスタバでベーグル,サンドイッチ,サラダの何れかとコーヒーを求め、部屋で朝食をとるのが簡便で殆ど定例になって終った。

この二つのスタバは宿泊者以外に、朝は近くのオフィスに勤める人が立寄りコーヒーを手に出勤し、昼は外部からの利用者がかなり多い。

オフィス用品,文具の№1「ステープルズ」は、オフィスに欠かせない袋入りコーヒーを扱うが銘柄が全てスタバに変ったのは、味だけではなく雰囲気も含め働く人達にとってスタバが好ましいブランドとして浸透している証しといえる。

書籍№1「バーンズ&ノーブル」は早くから「スターバックス」を導入し、未精算の本を何冊でもスタバへ持込み中身を吟味することを推奨した。

この取組は米国で大評判になり、その後日本,台湾,香港でも書店にカフェは当然の様にある。

これらの事例は「スターバックス」がホテル,オフィス,書店などの、街で出会う様々な生活場面の創出に深く関っていることを示してもいる。

「スターバックス」はホテルと組めば客との時間の単位は分になるが、書籍と組むと単位は1時間を優に超えるなど、場面の創造が自由自在でコラボレーションのキープレイヤーを務める。

「夜の動物園」

 墓参りの途次旭川の「旭山動物園」で、8月11日から15日まで開く夜の動物園を見に行った。

 日中殆ど動かないオオカミが、最後に餌を与える女性の動きに連れ敏捷に動き本性を現したり、昼間は寝姿ばかり見ていたフクロウ,レッサーパンダ,アライグマ,トラなどの夜行性の動物は、夜の動物園で見るとイメージがまるで変る。

懐かしのホタルの小道が一番人気で長い待ち列。

「プレイタイム東京」

年2回開催で第9回の「プレイタイムTOKYO」。初期にはフランスのメーカーが中心でベビー,キッズをターゲットに小間の面積も小さい小規模な展示会だったが、今回は出展が100社を超えアメリカ, カナダ,イタリー,日本など、それぞれがお国柄を出し回って見るのも楽しかった。

どの企業も基本的にはマスとの取引を重要視せず専門店との直接取引が主体で、価格は高目だがデザイン,カラーや目の付け所が違う商品が多く、量販店との違いを出し個性化を目指す専門店にとって、気になる見本市になって来た。

小売業は客の選択の幅を狭めないことが重要で、小型見本市も億劫がらずに出掛けたいもの。

「サービスという視点で店を見る」

 深夜の方が混み合っていた「ドンキホーテ」が若者離れで営業時間短縮を表明したが、時間、場所制約なしのスマホへのシフトが背景の様だ。

ネット通販は商品が客の手に渡る時は小売だが、客側からするとどんな時間でもどこにいても買物ができ、安さが比較でき、無料で早く着くなど仕組みの中で客が評価する大部分は、物販ではなくサービスにある強さを理解すべきだ。

一般に小売業は商品に関しては熱心だが、どんな家庭でモノ余りが目立つ時代には、買物という動機だけで店に来て貰うのは相当難しい。

ネット通販に対しリアルな店が対抗するには、客側のそれがあるからこの店に行くという何かが必要だが、時代を踏まえその何かを商品以外の有料,無料のサービスで考えることが大事だ。

商品そのものより商品に関わる小さな困りごとの解決策に我が知識,経験を活かし、子連れには子どもがまた来たくなる極小の遊び場を設けるなど無料のサービスが家族との距離を縮める。

お互いの顔を見ながら話せる場で人の力という武器を使い、ネットでは難しい顧客との距離の縮め方を極めることが商品力以上の対抗策だ。