葉佐弘明の「マーケット短信」 Vol.273 Sep,12 2013

「ソフトが創り出す交通関連の新立地」

JR東日本による[大宮エキュート]の出現は、駅に付随する商業立地そのものの新境地を開き、エキナカという新しい可能性を世に知らしめた。

駅利用者への利便性を第一に土産,弁当,飲食が中心だった駅の商業ゾーンとは異質の、切符が必要なエキナカに食品はデパ地下風、雑貨はおしゃれで括られたエキュートは大評判を呼ぶ。

駅を通過する近隣地域に住む人達にまでターゲットを拡げ勤め帰りに大宮で電車を降りエキュートで総菜を買い再び電車に乗り、自分の下車駅で降りるなど新しい生活場面さえ生まれた。

現在は電車の駅のみならず地下鉄の改札口内にも同様のコンセプトで様々な店ができ、初期の驚きは去り当り前の情景として定着している。

空港は国内,国際線を問わず通常店は出発ロビーフロアに集中し、「ユニクロ」,「無印良品(「MUJI to GO」)」は見慣れたが、旅関連の雑貨が核の「ミニプラ」などの小型業態が続々生まれた。

国内線羽田空港第1ターミナルには手荷物検査が終わった処に伊勢丹羽田ストア(紳士)が出店、航空券が無ければ入れない場所でエキナカに倣うとソラナカへの出店は思い切った実験だ。

高速道路に必ず作られる、SA(サービスエリア)とPA(パーキングエリア)も大きく変った。

新東名清水PAに「ユナイテッドアローズ」出店、富士山モチーフの土産向き雑貨を新規開発。

新東名静岡SAに「STRICT-G(ガンダム)」が出店しているが、この店だけを目指してわざわざ来る若者もいて高額な商品も売れているそうだ。

 関越道寄居PAの「星の王子様」に続き、東北道羽生PAは鬼平犯科帳の世界を「鬼平江戸処」にしてリニューアル、二つのPAはそれを目的に来て貰うのが、開発側の狙いで12月開業を予定。

「雑貨と玩具の見本市」

先週「サンリオエクスポ」へ行きいつも通りの混雑振りを体感したが、展示は特にライセンス関係のコラボレーションに楽しい発見があった。

今週は「クリスマスおもちゃ見本市」。年末商戦を前にコンパクトに纏められたこの時期の見本市は、小売店にとって最後の確認の場になる。

雑貨は大メーカーがないに等しく商品は自らセレクトし差異化を図るが、玩具も特に専門店は個性化へ向けた商品セレクトを強化すべきだ。

「人があまり来ない立地もあって良い」

 余り人が来ない処でも成り立つ店はあり、買う側が目指して来てくれる店は立地を超越する。

中目黒駅から山手通りを渡り代官山の方へ入り目黒川を渡り川沿いの道を歩くと、連続はしないが気になる店がちょうど良い間隔で続く。

大雑把に捉えると雑貨店が多いが皆個性的で、傍を川が流れ夏は木陰を伝い歩き、池尻大橋へは途中まで店を見ながら自然にも浸れる小道だ。

時々この辺りで展示会があって来るが、同じ商品群でもこの環境下で見ると随分感じが違う。

表参道も1964年の東京オリンピックの頃は、今の明治神宮前交差点から原宿駅へ向い山手線の上の橋を渡ると、米軍人が居住する「ワシントンハイツ」の正門で道はそこで行き止りだった。

このワシントンハイツが東京オリンピックの選手村に変り、選手達が自分の時間に宿舎から出て坂を下るとそこは表参道で、その頃は外人客対象で英語の通じる店が通りに点在していた。

神宮前交差点から青山通りへ向う左角が原宿一のビル「セントラルアパート(現東急プラザ)」、表参道側の並びは店に入ると正面の壁一杯に東郷青児の絵を掲げた喫茶店「フランセ」で、その向かい側には「陶光(現生活の木)」があり、数軒おいた隣が木造2階建てのキディランドだった。

そこから先の青山通りまでの間は「富士鳥居」と「オリエンタルバザー」があったが、印象に残る店はそれくらいで反対側は「同潤会アパート(現表参道ヒルズ)」が通りの大半を占めていた。

表参道にあった数少ない店は皆個性的だったが客数は圧倒的にキディランドで、8割を占める外人客がこの店はバラエティストアだから生活に必要な物は全て揃えよなどと要望され、可能な限り応える店を目指していた頃が懐かしい。

当時交通機関は原宿駅と地下鉄表参道だけで、どちらからも坂道に欅並木という環境と行き止まりのため車は少なく人も少ない原宿を、今の原宿と比較すると昔の方が良い様に思えて来る。

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