葉佐弘明の「マーケット短信」 Vol.275 Oct,7 2013

「ロサンゼルスに進出した日本企業」

「ニトリ」の米国進出は現地ロサンゼルスでも、10月19日2店同時オープンで在住日本人に知られているが、先週郊外の商業施設を回った際に立地を見ようと1店の予定地フラートンへ行くと、「ターゲット」の並びにあり9月25日にソフトオープンしたとのことで店内も見られた。

米国では「AKI-HOME」の店名での展開だがもう1店のタスティンレガシーも「ホールフーズマーケット」の隣に同時オープンで、午前8時半テープカット和太鼓のパフォーマンスなどがある。

「ダイソー」は日系の「マルカイ」との提携から離れ、日本企業の多いトーランスに直営の1号店を昨年開業したが、アジア人が多く住み日本人も多いアーバインで全く同じ形の店舗を見た。

日本で100円の商品は1.5㌦での販売だが質が良くて安いとの評価で、トーランスもアーバインも良く人が入っており上々の人気のようだ。

アーバインには評判のアジアンマーケットがあり、出店した「くら寿司」の1号店が好評でチェーン化を早め、「元気寿司」,「がってん寿司」の三社がロサンゼルスの回転寿司3強とのこと。

[プエンテヒルズモール]に1号店を出店した「ラウンドワン」は、今年「ブックオフ」も出店している[レイクウッドセンター]に3号店を開業した。

米国のSCの現況を考えると、百貨店等の核店の退店跡への物販以外での出店要請は今後も続く。

「グリーティングカードショップ変身」

 今回見たカード専門店「ホールマーク」は、複数の店でカードを従前の50%程に圧縮し店舗後方へ移動、空いた前方と中間に人と人との関わりを軸にギフトの切り口で商品が展開された。

机上飾り、ぬいぐるみ、独自デザインのパーティ用品、スカーフ等のファッション小物による季節感を演出し、店のイメージは大きく変った。

店頭に定型で立体感を出し難いカードがある場合と比べ、入り易く店内を回るのも楽しくなる。

「アメリカングリーティング」は、高級路線のカードショップ「パピルス」の商品に手を入れた。

カードの比率を下げ紙以外のギフト商品を充実させ、店頭部分でセレクトしたアパレルにファッション小物をコーディネイトした高級感ある売場を展開したことによりブティック的な雰囲気が生まれ、客層に合う新路線を歩み出した。

「施設間競争が激化するアメリカのSC」

現在米国では大型SCの開発は殆ど行われず、新規開発は[パワーセンター]と[ライフスタイルセンター]の2タイプが主で、モール型の大型SCは客側が望む小売店を地域で最も早く導入し、地域1番の評価の維持を主戦略にしている。

今回ロサンゼルスで見たSCも状況は同じで、既に十分な数のSCがあるためデベロッパーが注力するのは、単独で集客ができる核になり得る企業や小型でも客が待ち望む小売業の獲得だ。

トーランスの[デルアモセンター]と[サウスベイギャレリア]は車であれば20分位の距離にあるが、現在サウスベイに出店している高級百貨店「ノードストローム」の、デルアモへのリロケーションが決定したというのが厳しい現実だ。

「アメリカのSCでトイに分類される店」

 「FAOシュワルツ」が積極的に店舗展開をしていた頃は、米国の大型SCには必ず玩具専門店がありSC内の百貨店やGMSにも玩具売場があった。

初期の「トイザラス」は郊外の単独店展開が多かったが、店舗数の増加に伴い大型SCの傍への出店が増え、後年パワーセンターへの出店が増加したことで、SC内の専門店や百貨店の玩具は消え、昨年は「シアーズ」からも玩具が消えた。

最近のSCの案内図によるトイ部門の常連は、「レゴ」,「ビルドアベアー」,「ディズニーストア」で、偶にチェーン加盟の専門店「ラーニングエクスプレス」や地域の有力玩具専門店などが入る。

西海岸№1のSC[サウスコーストプラザ]にある「パズルズー」は素敵な玩具専門店だが、SC側の要望で面積を圧縮した上に売場が移動になり、跡に入るディズニーストアはそのままの面積を使い、劇場型の環境を整えた大型店で客も多い。

SCの案内でトイに入るレゴ,ビルドアベアー,ディズニーストアの3社は、製造小売に近い仕組みを持っており、仕入れが主体の小売店がSCで生き残る難しさは日本でも米国でも変らない。

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全日葉佐が同行、米国の市場,流通について解説致します。

お問い合わせ ㈱葉佐商品研究所 TEL 03-3707-4453