葉佐弘明の「マーケット短信」 Vol.277 Nov,10 2013

「原宿はどこまで拡がるのだろう」

銀座線の「表参道駅」は、昭和47年千代田線の「明治神宮前駅」ができる迄は「神宮前駅」だった。

昭和30年代に原宿へ行くには青山通りの「神宮前駅」と「原宿駅」が最寄り駅で、“表参道”も“竹下通り”も人が少なく落着いた大人の通りであり、神宮前駅から坂を下り少し上る原宿駅までの表参道は、その名の通り明治神宮へ詣でる参道だった。

千代田線の開通で地元の人だけが歩いていた竹下通りに、中高生が大挙して押しかけ住宅が商業地に変り、この通りは大商業集積に変身を遂げた。

普通のバス通りだった“明治通り”の教会跡が[ラフォーレ]になり、最近は通り沿いに「H&M」,「フォーエバー21」が出店、ラフォーレに「トップショップ」ができ近くには「ザラ」もあり、グローバル展開する有力ファストファッション店が集積した。

ラフォーレ向いの[セントラルアパート]跡地が、恒久的施設に建替えられ昨年[東急プラザ表参道原宿]が開業しこの通りも大商業集積地になり、更に渋谷方面へ向けアパレルを中心に今も新店の開業が続き、結局この通りは渋谷まで店が連続した。

この通りの裏には渋谷川を暗渠にして作られ並行する[キャットストリート]があり、ここは今アウトドアグッズの著名店を核に大人の店が集まる。

神宮前交差点から“表参道”を青山通りへ向うと、今は暗渠になった渋谷川から先に主の様な存在の[同潤会アパート]があり、表参道の左側には商業施設がなくビルと言えるのは「伊藤病院」のみ。

今は同潤会アパート跡地が[表参道ヒルズ]に変わり、そこから先のけやき並木の表参道の両側は、欧米の高級ブランドが軒を連ねる通りへと変った。

通り毎に商品カテゴリーの集積が異なるのも原宿の魅力で、表参道の欧米高級ブランド,竹下通りの雑貨,明治通りのカジュァルファッション,キャットストリートに始まるアウトドア等の集積では、各カテゴリーのトップブランドが競いあっている。

新たに原宿へ進出する企業は、この街の情報発信力を認めその将来性もまた評価しているようだ。

未来の原宿はどこまで拡がって行くのだろうか。

「業種的見本市の良さ」

 小売店にとってぬいぐるみの見本市は楽しい。

業態化した雑貨店が業種見本市を見るのは稀で、商品の深度を学べる業種見本市は得がたい機会。

本来業態店は業種の視点で夫々に深さを持つ商品部門を組合せ自店の個性を創造すべきもの。

「大阪発の人気雑貨店揃って原宿へ」

 昨年から今年にかけ大阪での人気が伝わっていた「フライイングタイガーコペンハーゲン」と「ASOKO(アソコ)」が、ほぼ同時期に原宿に進出。

 アソコは神宮前交差点を渋谷方面へ向う明治通り沿いに9/27、フライイングタイガーは表参道の伊藤病院を左に曲がった路地に10/2開店。

 開業後1ヶ月余りになるが、両店共ウィークデイでさえ整理券なしでは入れないほどの人気。

 11月5日(火)、アソコは午後1時に行くと整理券は午後6時でこちらは並んでいると2時間位で入店できるそうだが、タイガーは午後2時に行くと行列禁止で整理券持参者のみが入店可、整理券は午後6時40分と常識を超える凄まじさ。

 タイガーはヨーロッパを中心に240店を展開し、アソコは異業種のアパレルからの参入だが、低価額で今流行のおしゃれな雑貨が共通点だ。

「原宿には雑貨が良く似合う」

昭和39年の東京オリンピック前後の原宿で店と言えるのは表参道にのみ存在し、表参道の行き止まりが[ワシントンハイツ]で当時表参道にあった店がターゲットにしていたのは外国人客だった。

当時の原宿は米国軍人が家族と住むワシントンハイツから歩ける距離にあり、売れる物の中心は殆どが外人客対象の雑貨であり、その後の原宿の発展の過程を見ても雑貨が果たした役割は大きい。

「キディランド」は昭和29年創業、昭和30年代の売上は玩具が48%残りは外人客の生活に必要な日用雑貨や土産であり将に雑貨店だった。

4軒隣りの「陶光(現在は生活の木)」は陶器専門店で、青山通りの方へ200㍍の「オリエンタルバザー」は古着の着物や法被,日本調の小物家具や火鉢等の調度品を揃え、全社員英語を話した。

千代田線開通後の昭和40年代後半以降中高生が大勢押し寄せたのが竹下通り、ここには低単価の雑貨が中心の店が集まり、更にタレントショップの集積で修学旅行生の最終目的地になり、原宿の名を全国に知らしめるまでになった。

 グループ83例会予定 (12月期)

大阪例会  12/ 5(木) 10:00~12:00 備後屋会議室
札幌例会  12/ 6(金) 10:00~12:00 葉佐研会議室
東京例会  12/11(水) 13:00~16:00 日本青年館
テーマ   「2014年のマーケットを振り返る」  葉佐弘明

連絡先 株式会社 葉佐商品研究所 TEL 03-3707-4453