葉佐弘明の「マーケット短信」 Vol.281 Jan,11 2014

「香港トイ&ゲームフェア」

 年明け早々に「香港トイ&ゲームフェア」へ。

数年前増床された会場全てが出展社で埋まり、ホール間を繋ぐオープンスペースまで使う展示は昨年より通路を狭め詰め込み極限までの使用。

出展社数のみならずこと商いに関して香港はしたたかで世界の中でそのポジショニングを確立しているが、世界一の規模と内容を誇る「ニュルンベルグ」や世界最大の玩具消費国米国の「ニューヨーク」とは、異質の機能がその根源にある。

ニュルンベルグ,ニューヨーク,上海のショーは、大消費地を背景に持ち出展社の視線は小売業にも注がれるが、香港では物作りが軸になる。

主催者のきめ細かさは小口買いや小ロット生産できるものを特別展示し、人を配置しセールスするところにも表れており、会場内でも物作り以外の商品検査に特化した企業が、20社もブースを構える見本市は香港以外では見られない。

ビジネスマッチングを旗印にソーシングショーの機能を前面に打出す香港トイフェアは、年が明けると同時に世界中から玩具に関わるあらゆるビジネスに携わる人々を大量に呼び寄せる。

会場以外にも九龍地区での有力メーカーのショーを大手小売業のバイヤーが巡り、年明けの10日迄の香港はまるでトイウィークの様相に。

 

「オーシャンターミナルのトイザラス」

 数十年前から香港では必ず「トイザラス」の旗艦店に行くが、この規模の店舗を長期間にわたり維持し進化させてきた力は並大抵ではない。

旗艦店らしくメーカーとの協働によるイベントが集客に効果を発揮し、今回は「レゴ」の出番。

5日(日)午前9時~12時の間新製品1200香港㌦以上購入は3回のチャンスで、特賞4700香港㌦のレゴ特別セットの抽選に30人超が参加した。

 この店はマーチャンダイジングも大きく変化、ベビートイ,人形,プレイトイ,車等トイザラス共通のPBへの売場配分比は多分世界一になる。 NBの売場面積増はレゴ位であり日本人の視点で見ると、NBとPBの売場配分比のバランスは良くないが、商品は国により好まれるものが違い他国人の基準で判断すべきではないだろう。

 日本ではコンビニがNBを凌駕するPBの成功例を作りPB開発は新次元に入ったが、玩具はNBとPBの売場配分比の再確認が第一歩か。

「香港ライセンシングショー」

 香港トイフェアと併催の「香港国際ライセンシングショー」は、出展社数も増え盛況だった。

 昨年と比べ日本パビリオンも5社から14社へと出展社が増え存在感のあるブース構成になり、来場者が増え興味を持ち足が止まる人も増えた。

 2日目終了後、キャラクターブランド・ライセンス協会主催の香港日本人倶楽部での交流会も参加者多数で、国外での無形の財産によるショーには国としての一体感の必要性を強く感じた。

 外へ出ると良く分ることだが、ライセンス市場における日本のポジショニングは少し特殊だ。

 日本はアニメやキャラクターにおいては他に先んじており、日本でヒットしたプロパティは既に多くの国にエージェントを通じ地歩を確保、今回のショーもアジア人なら誰もが知るプロパティは、香港の代理店が別の場所で展示をする。

 この様なショーに出展する場合は、これまでに創り出されたプロパティ達と、今とこれからのプロパティがオールジャパンとして一堂に会し、日本の持てる力を可能な限り打出して日本ここにありを特にライセンシングビジネス新興国に強くアピールすべきなのではないだろうか。

 

「日本が特別に弱い基本商品部門」

 クリスマスタイムに海外の玩具売場にいると、日本とはまるで異なる光景に出会うことが多い。

 並べられている商品は国により違いがあるのは当然だが、商品カテゴリーには左程大きな差異はなく、むしろ売場配分の違いの方が大きい。

 どこの国の売場へ行っても必ずある部門で日本との差が大きいのはゲームと人形だが、特に欧米のゲーム売場と日本とを比較すると与えられる面積にはむしろ雲泥と言える程の差がある。

 海外の見本市でゲームは常に主要部門で、付属品のダイスだけでの出展、幼児にターゲットを絞ったゲーム、遊びながら覚えるゲームなど多様な商品が、大きな売場を背景に出品される。

 世界中で最も売れている人形は「バービー」だが、日本だけ「リカちゃん」が孤軍奮闘している。欧米には多くの人形メーカーがあり幼児から大人までを対象に多様な新製品を出品して来るが、日本はリカ以外の人形の開発は殆ど行われない。かつてトイザラスが良い人形売場を持っていたが、最近は日本の売場になり人形は益々縮む。