葉佐弘明の「マーケット短信」 Vol.283 Feb,10 2014

「横軸で創り出す店の個性」

日常の生活に関る多様な商品群をギフトという横軸で繋げる時、商品カテゴリーという旧来の枠の崩し方そして括り方で店の個性が決まる。

過去を踏襲する店は個性を考える際の関心が商品に集まり、確立している商品分類の中から商品をセレクトする道を多くの店がたどるが、通常の商品分類にはないギフトという呼称が店の中や取引先との会話に頻繁に登場する店ほど、特に雑貨店の場合はこれからの道が見えて来る。

ギフトや遊びなど生活の中の状態を横軸にする見本市を見る時は、自ら選んだ商品を購買者が家のどこに居場所が定めるかを想像すべきだ。

 子どもが中心になっている家庭では子供部屋があればおもちゃの居場所はそこで、居間が遊び場になる家はおもちゃの居場所は居間になる。

 おもちゃの収納はおもちゃ箱が便利だが、子供部屋はキャラクター付の箱で良くとも居間ではインテリアの視点で箱のデザインを選びたい。

 商品の幅があり奥行きもある場合にはギフトという視点と共に、商品の居場所を想定した上での部門や用途による展示からの選択が必要だ。

広義の雑貨の全てが贈り物の対象になる時代には、過去の商品分類を超えたところからの発想がなければ、顧客の満足を得ることは難しい。

「玩具と雑貨の大いなる相違点」

 雑貨に必須の商品特性は機能と実用性で、単品に落とし込む時には細分化された用途を伴う。

全ての商品はバリューを求められるが、玩具の商品特性はプレイバリューで、遊んだ後の満足度で価値が定まるところが玩具固有の特質だ。

クリスマスのピーク時の玩具店のレジで列をなす人が持つ商品は、殆どが高単価品で訊ねなくとも買物即ギフトで包装が必要なのが分かる。

この時期玩具店のベビー売場では紙おむつ等のベビー用品周辺に客の姿は少なく、日常使いのベビー用品は贈り物ではないことを確認する。

 12月の売上で雑貨が玩具に及ばないのは、日常使いの雑貨の客単価の低さが主因で、玩具と違いメーカーにも高単価品の意識が弱いためだ。

 独自にギフト商品を異業種に求め或いは自らアソートする独自の推奨ギフトの用意など、最大の商戦への早い時期からの対応策が鍵になる。玩具と雑貨の相違点を入れ換えると武器に変る。

 

「ギフトショーの商品カテゴリー」

 ギフトショーという呼称は商品カテゴリーを超え向うべきところを指し示しているが、このショーの魅力は身近な生活財への多様な欲求に応える商品の集積と店を知る人との距離の近さ。 見るだけの見本市も多い中で、ここでは顧客の立場から店を考え真剣に商品がセレクトされる。

生活財としては生鮮食料品を除く日常生活に必要な多様な商品群を持つが、この巨大化したショーの商品カテゴリーを、どの小売業態がどこまで取込めるかが気懸りで回りながら考えた。

「ウォルマート」はディスカウントストアで成長したが、その根幹にあるのは消費者の日々の生活全般を賄う食品を除く商品群と価格だった。

後年ディスカウントストアに巨大スーパーマーケットを付加、最強の業態と言われる「ウォルマートスーパーセンター」を開発し主力業態としたことで、今も小売業世界一の座を保持する。

本来玩具は大きな括りでは雑貨に含まれ、昭和30年代米国への輸出で基盤を築いた日本の玩具も、輸出統計上では雑貨に包含されていた。

年間最大の商機であるクリスマスセールに臨むウォルマートは、消費者の生活に関わる食品以外の商品カテゴリーの中から、TVを核にする家電,商品力で他を圧する家庭用品,子供への贈り物の定番玩具の3部門にフォーカスし、商品政策と価格政策に販売促進策で商戦に入った。

年末商戦の先駆けブラックフライデー1日の為に家電,家庭用品,玩具の主要3部門が夫々約10㌻を使い超低価格の目玉掲載の36㌻のチラシを配布、大勢が列を作り前日6時開店を待つ。

年間最高の一日当り売上が出るこの日は前日6時開店から当日午後10時までの28時間営業、買物の主目的はギフトで、TVを除くと料理家電,家庭用品,玩具,ゲームソフトなど、総括すれば雑貨という範疇に入る商品が主役のセールだ。

ギフトが主役のブラックフライデーセールを体感、ショーと店との近さを伝えたいのがギフトショーでウォルマートを想起した一番の理由。

 グループ83例会 (3月期)

大阪例会  3/ 7(金) 10:00~12:00 備後屋会議室
札幌例会  3/11(火) 16:00~18:00 葉佐研会議室
東京例会  3/14(金) 13:00~16:00 日本青年館
テーマ  「境目にあるビジネスチャンス」 葉佐弘明

連絡先 株式会社 葉佐商品研究所 TEL 03-3707-4453