葉佐弘明の「マーケット短信」 Vol.284 Feb,24 2014

「ニューヨーク トイフェア」

 昨年ニュルンベルグへの途次パリで一緒に玩具店巡りをした書店の方々と、今年は共にニューヨークトイフェアと郊外,市内の流通視察へ。

 フェア会場では2社を訪問し、視察は郊外のSCと市内の玩具や新業態店を案内、道道米国の玩具,文具,雑貨市場の現況について話した。

異業種から玩具に急接近したのは「バーンズ&ノーブル」だが、各カテゴリーでマスの立場が強まる中、業態開発の先進国では玩具との境目で様々な新業態を生み新市場を創造している。

 ニューヨークトイフェアもトイビルが無くなった後続いた低迷期を脱し、特にスペシャルティにとってはマスとの戦いの中で人の力だけが強調される日本とは異なり、商品に関してもマス以外のもう一つの流通ルートが確立、それを支えるトイフェアの立場も強化された感がある。

 会場は大手中心の2階に閉鎖的なブースが多く場所により延々と壁面が続く通路がある一方、欧米やアジアからの出展社が多い1階は小型で開放的なブースが多くあり、今年は特に熱心に商談する人々が多く見られ活況を呈していた。

 ここでは意欲ある小売店のバイヤーは、小さな企業のみならず米国の玩具専門店で良く見かける商品を持つ準大手からも歓迎され、熱心な売込み姿勢が商いの場であることを認識させる。

「ニューヨーク何時もの店へ」

バレンタインデイのニューヨークで、キャンディ関連の「ディランズキャンディバー」,「ゴディバ」,「リンツ」,「ハーシー」,「m&m`s」を見たが、バレンタインの夜でも待ち列のできる賑い。

「ビルドアベアー」も相変わらずでぬいぐるみに綿を詰める機器の待ち列の男性比率は50%超。

トイザらス傘下の「シュワルツ」とマテル傘下の「アメリカンガールプレイス」にも行ったが、両店とも良くその持ち味を出し深度を深めており、専門店としての道程に些かの迷いもない。

「プラザホテルのエロイーズ(Eloise at The Plaza)

作り込んだ居間や読書室など品の良い環境を持つ小部屋に、誕生パーティ可のティールーム。

環境作り,商品開発,価格設定,サービスのどれもが深く考えられているために完成度は高く、ブランド、キャラクターが示唆されるところ大。

「ガーデンシティの商業集積」

 開業時話題を呼んだ[ザ・ソース]以降は、総合小売業やスーパーストアの交代はあったが、新規開発の無かったこの地区に、同時オープンではなく徐々に店舗が揃う米国方式で[ザ・ギャラリー アット ザ ウエストバリ―プラザ]が開業。

逆L字型のオープンモールを構成するのは、一棟が何れも高級百貨店の「ノードストローム」,「ブルーミングデール」,「サックス5thアベニュー」のアウトレット業態が並ぶ価格訴求型のリテイルアウトレットというべき集積。もう一棟は収納が切り口の「コンテナストア」,紙に特化した「ペイパーソース」,自然食品で人気のSM「トレーダージョーズ」など、価格訴求を超える個性的な小売業が並ぶ興味ある組合せになった。

更に場所は離れているものの、ティーンズ中心に人気の雑貨店「ファイブビロウ」が加わった。

かつてフィラデルフィアで同じ創業者が起業した玩具店「ゼイニーブレイニー」に倣い、同地で創業したこの店は東海岸を中心に急速な多店舗展開を進め、既に300店以上を展開し西海岸でも話題になるなど着々と全国制覇の道を歩む。

「ファイブビロウ」

 日本でチェーン化している雑貨店の多くは売上低下に悩むが、2002年に米国の東海岸で創業した「ファイブビロウ」は日本とほぼ同じティーンとプリティーンをターゲットに、価格政策,商品政策そして旬の売場作りで今期も2桁増だ。

その勢いはかつてこの店の創業者が187店に及ぶ店舗を展開し最盛期にシュワルツに売却した玩具店「ゼイニーブレイニー」を髣髴とさせる。

その名の通り1㌦から5㌦までのゾーンでどの商品も値段を気にせず買物できる価格設定も、米国の玩具市場からの期待を担っていた「ゼイニーブレイニー」の創始者のカリスマ性と、マスとは異なるバイイングパワーによるものだろう。

今の商品を先取りし絶えず変化させて作る売場の新鮮さと、分り易い部門表示が客を捉える。

 グループ83例会 (3月期)

大阪例会  3/ 7(金) 10:00~12:00 備後屋会議室
札幌例会  3/11(火) 16:00~18:00 葉佐研会議室
東京例会  3/14(金) 13:00~16:00 日本青年館
テーマ  「2014年.マーケットの新潮流」 葉佐弘明

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