葉佐弘明の「マーケット短信」 Vol.288 Apr,24 2014

「セブンイレブンの視点に学ぶ」

 米国小売業の店舗数№1は「ダラーゼネラル」の約11,000店だが日本の「セブンイレブン」は16,000店あり、米国発のコンビニが異国のマーケットでここまで浸透した現実を感慨深く見る。

 時代と共に変わるが現在は”近くて便利セブン-イレブン”のスローガンの下、更なる顧客満足度向上を目指す同社には、小売業が持つべき何事も客の立場で見るという視点が常にある。

 1日1店あたりの売上高67万円は同業2位の追随を許さず、ネットワークを構成する個々の店が地域に住む消費者の生活の中に居場所を見付けたのも客の立場で見続けた結果だろう。

 際立って好調なPB商品を見ても、客自身が抽出マシンのボタンを押す100円のセブンカフェは年間4.5億杯を売り、「マクドナルド」を始めとする既存企業の販売記録を1年で凌駕した。

 高齢者対象に500円からの弁当を宅配するサービスは配達者が顔を見せる際に巧まずして会話が生れ、高齢者比率の高い地域では外に出難い人の社会と繋がるインフラとしても機能する。

 公共料金支払い,振込と引出し主体の銀行,宅急便, チケットなど、日常生活に付随するわずらわしい必要ごとを、16,000店のネットワークを使い解決するセブンイレブンの存在は心強い。

 商品開発もサービスも全て客の立場で捉えるセブンイレブンの基盤は、小さくとも満足度の高い個々の店を繋ぐネットワークであり、今後を考えている専門店が学ぶことは限りなくある。

「都市型ショッピングセンターに期待する」

最近の郊外型ショッピングセンター(SC)は、環境も店揃えも以前どこかで見た様な気がして、買物に楽しさを求める時には行かなくなった。

対照的に都市部で開業するSCには刺激を受ける事がかならずあり、個性的な商業集積が今後も生み出され続けることを期待してもいる。

最近の都市型SCは小型であってもその店揃えには様々な工夫があり、商品カテゴリーは深度を重視し、連関する小型店を相互補完する様な繋ぎ方でフロアを跨いで訴えかけたりもする。

今後の都市型SCはこれまで以上に街作りを意識し、地域の歴史的背景や継ぐべき文化、祭事などの無形資産に特徴的な土地の産物を起し、何かの時に足を運びたくなる街を目指したい。。

「ハワイ生まれのMokes

 中目黒駅近くのサンリオの直営店「Mokes」。

1999年ハワイ オアフ島でMoke一家が始めたのは、朝6時半開店で午後2時に閉店する朝食とランチに特化したレストランで、サンドイッチ,オムレツ,パンケーキが美味しいと評判の店。

 サンリオとの間で日本展開のライセンス契約を締結し、昨年8月日本1号店が中目黒に開業。

 1,2階42席のブルーが基調のおしゃれな店は、開業するや連日行列ができる人気店となり、8か月を経た今も常に店頭で待つ人がいる話題の店で、メディアでも随分取り上げられている。

 人気メニューは二人でシェアしないと食べ切れない900円からのパンケーキ、一日200~270人の客数で性別は女性8対男性2だが、店のデザイン,環境,メニューからすると頷けるところ。

 サンリオの飲食業と聞くとキャラクターでの展開を連想しがちだが、この店を見るとノンキャラクターでも事業センスの良さが確認できる。

 渋谷パルコ1の期間限定の「キキララカフェ」を午後1時頃訪ねたが、待ち時間は1時間で妙齢の外国人女性が一人列の中にいて少し驚いた。

 この店はサンリオがライセンスビジネスとして許諾しているもので、キキララだけに星形のパンケーキが人気になっているとのことだが、

入口脇にショップもありモノからサービスへ移行する時代の雑貨店の可能性を考えさせられた。

 飲食へのライセンスには他に「マイメロディカフェ」もあり、サンリオのキャラクタービジネスも、有形から無形への重心移動が進んでいる。

「陳列を三業態の立場で見る」

製造業が展開するメイン商品はコーナー化までの什器台数と、部門別単品商品はフェース数。

卸売業が陳列を任された時は、納入商品を部門毎の一番目に付く棚に如何に収めるかに腐心。

小売業が目指す陳列は、客の立場で見て商品が見易いか取り易いか選び易いかにフォーカス。

陳列を人任せにしない店だけが生き残る時代だ。

 グループ83例会 (6月期)

大阪例会  6/ 6(金) 10:00~12:00 備後屋会議室
札幌例会  6/ 9(月) 16:00~18:00 葉佐研会議室
東京例会  6/17(火) 13:00~16:00 日本青年館
テーマ  「小売業の変化がもたらすもの」 葉佐弘明

連絡先 株式会社 葉佐商品研究所 TEL 03-3707-4453