ゴルフが上手といわれるほどのものではありません。いつももう少し上手くなれないものかと思いますが、最近は体がついていかない状態です。
ところで、ゴルフのカップの直径は108センチです。もうおわかりですね。これは煩悩の数です。それからお釈迦さまの説くところの「四苦八苦」。しく=36、はっく=72、ですね。こうなると仏教とゴルフとは大いに関係がありそうです(笑)。
最近、私が、気がついたことは、何のストレスもなくスッとアドレスができた時は、うまく打てるということです。ところが、左が怖い、右には行かせたくない、左足下がりでうまく当てられるか、ここはピンに絡めてバーディーをとりたい、などの不安(迷い)や期待(執着)があるときには、たいていミスショットをしてしまいます。
ですから私は、まずこれらのストレスをなくす準備をして、できるだけスッとアドレスに入るように、このことだけを気をつけるようにしています。昔からシングルプレーヤーは「飛ばすな・乗せるな・寄せるな・入れるな」といいますが、これも執(と)らわれの心をおこさせないための知恵なのかと思います。
「住職より(メッセージ)」にも書きましたが、ホリスティック医療では心の問題を重要視しています。スポーツの世界では「心技体」といいますが、やはり心のありようは、実はとても大事なことのように思います。
2004年にジョセフ・ペアレント博士の著書『禅ゴルフ』が日本語訳されて話題になりました。博士はコロラド大学大学院で仏教と心理学の研究で学位を取得。
現在、新しいメンタル・トレーナーとしてゴルフ以外の分野でも注目されています。PGAの愛弟子の筆頭はビジェイ・シンです。彼は心を空(くう)にして自然体で楽にプレーできるようになり、世界ランクの上位をキープしています。
仏教は、ゴルフに役に立つ、役に立たないというものではありませんが、私たちに仏さまの眼(まなこ)をとおして
自分自身と向き合うことの大切さを教えてくれると思います。
「ゴルフは自分自身がどうやるかのゲームで、敵は自分の中にあるんですよね。だから自分に向き合う時間が長い人のほうが集中を高められるし、早く集中もできる」。これは森口祐子プロの言葉です(『ゴルフダイジェスト』所収)。