本堂ロビーにある絨毯は素晴らしいものですね。  (中央区Yさん)

本堂ロビーに敷かれている中国絨毯は約100年前のクラシック絨毯で、おそらく当時の有力者が寺院などの壁に掛けるために作らせたものと想像されま す。山並みのなかに仏塔が配置され、雲がただよい、鳥が舞い、河が流れて、まるで極楽浄土の景色を思わせるような模様が、中国製緞通とペルシャ絨毯の技法 を融合して織りこまれており、きわめて希少価値の高いものです。およそ400万円相当だそうです。

ご寄付くだされた茂登山長市郎様は、銀座並木通りにある高級ブティック「サンモトヤマ」の会長で、日本で最初に「世界の一流品」と呼ばれるエルメス、グッチ、エトロ、トラサルディ、ロロ・ピアーナ、フェラガモなどを見出した、ファッション界のパイオニアです。

本堂ロビーにある絨毯

イタリアのフィレンツェにあるサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の「天国の扉」、500年前に台風で崩壊したままになっていたものを、恩返しの気持ちで復元させたことでも有名です。ただし現地では、茂登山さんの希望で匿名になっています。

茂登山さんの、その際立った美的感覚は、ヨーロッパの服飾工芸品に惚れこみながらも、一方で日本にペルシャ絨毯ブームを巻き起こし、今は、東南アジアはもちろん、ロシア、など世界中を飛び回って美しいものを見つけだし、その技術を育てる手助けをしています。

2010年現在90歳、その大きな体とバイタリティーと夢に、私はいつも励まされています。

※茂登山長市郎さんは、こうしたイタリア文化に対する永年の功績を認められ、2010年6月 12日イタリア・フィレンツェの「第45回アカデミア  インターナショナル“レ・ミューゼ”から“アポロ賞”と、同時にかつて都市国家であったフィレンツェ国が外国人に贈る最高の栄誉“フィレンツェ市の鍵”を 授与されました。日本人が“フィレンツェ市の鍵”を授与されたのは初めてのことです。