Ⅲ シャフトの「背骨」って知っていますか?

ご門徒の親戚の方に「フジクラゴルフクラブ相談室」を教えていただいてから、何かあるたびにクラブの調整に行っています。ユーティリティーだけがつかまり過ぎる、ピッチングだけがダフル、ウエッジを買い変えた…。グリップの交換もしてもらいました。

今度は、そのご門徒の親戚の方に、シャフトには曲がりやすい方向があってプロゴルファーはそれをすべてあわせている、ということを教えてもらいました。

たまたま「カムイ(富山県の地クラブ的メーカーで有名)」のクラブ開発部チーフに会ったときにいろいろ聞いてみました。クラブの「重心線」というのは本当 ですか?「それは常識です。市販のクラブは残念ながらヘッドのバランス調整のためにホーゼルに鉛を入れているために『重心線』がとれていないものがありま す」。シャフトの曲がりやすい方向があるということは?「均一に作られたシャフトでも、どうしても『背骨』ができてしまいます」。

シャフトは円筒形にできていてカーボンシートを芯棒に幾重にも重ねあわせて製造します。その 際、巻き始めと巻き終りがあり、これがシャフトのやや固い部分として残ります。これが「背骨(スパイン)」です。通常これをシャフトの下側あるいは上側に 設定することによってヘッドのトゥダウンを減少させることができます。

実際には「背骨」は一つでなかったり途中で消えていたりとかなり複雑で「背骨」あわせにはクラフトマンの高度な技術が必要とされます。

「背骨」をあわせたシャフトは、結果的にシャフトの文字はばらばらの位置になりますが、びっくりするような振りやすさとミート率が得られるとのことです。
残念ながら私はまだ「背骨」の調整はしていません。いずれの機会に挑戦してみたいと思います。

皆さまのゴルフライフがより素晴らしいものとなりますように。
明順寺住職:齋藤明聖