先日、伝統工芸展にいきましたら、「截金(きりがね)細工」という技法が紹介されていて、 仏教にも関係があるそうですね。 (神奈川県Tさん)

「截金細工」は、仏教伝来の時代に朝鮮半島から伝わった仏教美術の荘厳(しょうごん)技法で、細く線状に断ち切った金箔を一本ずつ直線または曲線に貼っていきながら文様を描きだすものです。

いまでも本山から授与されるご絵像本尊(阿弥陀如来)には、この「截金」がほどこされたものがあります(お礼金52,000円)。

一方、金粉を膠(にか わ)などで溶いて絵の具状にして描く「金泥(きんでい)描き」のご絵像本尊もあります(お礼金は34,000円)。「截金」のご本尊さまは輝きと重厚さが 感じられ、「金泥」のご本尊さまは柔らかさが感じられます。

高価なものですが、30年~50年経って黒ずんだときには、表具屋さんに「洗い」に出しますと輝きがよみがえります。
ご本尊さまは、使い捨てではありません。

截金が施された蓮台部分
截金が施された蓮台部分
「六字名号軸」
「六字名号軸」