最近テレビのコマーシャルで、手をあわせて「いただきま~す」といっている和やかな雰囲気のものがあります。給食費を払っているから、うちの子には「いただきます」といわせないで、という親が現れる世相を考えてのものなのでしょうか。
食卓にのぼるまでには、天地の恵(めぐ)み、さまざまな人の苦労、はかり知れない恩恵があっ てのことでありますし、もっといえば「命をいただきます」ということなのでしょう。私たちは今まで海や大地の生き物を食べてきたのです。その懺悔(さん げ)と感謝、これが「いただきます」という言葉なのでしょう。
明順寺「歎異抄講座」の講師である中津功(なかついさお)先生が、カニを食べた子どもが「お母さん、ぼくはカニの一生を食べたんだね!」といったというお話しを紹介してくださいました。すごいことですね。カニはマーケットで売っているただの食材ではないのですね。