そうですね。春のお彼岸は「春分の日」、秋のお彼岸は「秋分の日」をはさんで、それぞれ7日間つとめられます。ちょうど太陽が真東から昇って真西に沈む、古代の人たちは遥か極楽浄土に思いをはせたことでしょう。
日本で最初の彼岸会は、大同元年(806年)にまでさかのぼります。崇道天皇(早良親王)のために諸国の国分寺の僧に命じて「7日金剛般若経を読まわしむ」と『日本後紀』に記されているのが彼岸会の始まりだといわれています。
一方、盂蘭盆会は7月13日~16日におつとめされます。7月15日はちょうど「中元」です。お世話になった方への贈り物の習慣と、お盆の先祖供養とが一体になって広がっていったのですね。
盂蘭盆会については、推古天皇14年(606年)に始まるといわれ、斉明天皇3年(657年)には、須弥山の像を飛鳥寺の西につくって盂蘭盆会を設けたと記され、その5年7月15日には京内諸寺で『盂蘭盆経』を講じ、7世の父母を報謝させたと記録されているそうです。
どちらも、その歴史は古く、巧みに当時の風習といっしょになって仏教行事として発展していったと考えられます。
こう考えると、冬至の季節、歳暮のころに何か仏教行事がほしくなりますね。一年のご恩に感謝してお歳暮の品を贈るように、先祖に感謝し、新しい年を迎える、そのような仏教行事があってもいいのではないでしょうか。