お正月に全国の寺院で修せられる法会を「修正会(しゅしょうえ)」と言います。「修・正月会」の略されたもので、中国の年始の儀式が日本に伝わり、その歴史は奈良時代にまで遡ると言われています。
新しい年を迎えて、この法会において、私たちは何を思い、何を願うべきなのでしょうか。そこで、いつも思い出す言葉があります。
親鸞聖人の『御消息集』にある、「世のなか安穏(あんのん)なれ、仏法ひろまれ」という言葉です。
これこそ、時代社会を超えて危機迫る現代に、そして全人類に届くべき言葉なのではないでしょうか。信仰は、決して個人的な願いに止まるものではありません。個人の願いを超えて、全人類の課題となるということなのですね。