灯明のあかりに癒されます。どのようにして火が灯っているのですか?  (江戸川区Mさん)

明順寺の本堂では、残念ながら、安全のために電灯になってしまっています。本来は、輪灯(りんとう)・菊灯(きくとう)の灯明皿に「灯芯」を置き、菜種油などを入れて、火を灯(とも)します。

「夜噺(よばなし)の茶事」でも、こうした灯火を使いますが、灯芯を長く後ろに伸ばしておきます。どうぞ今夜はごゆっくりしてくださいとの亭主の心配りです。

そう、この灯芯から立ちのぼる油煙から少しずつ煤(すす)を採取して、膠(にかわ)と少量の香料を加えて練り上げたものが毛筆を使うときの「墨」なのですよ。まさに伝統工芸ですね。

どうでしょう。灯芯の火に癒されますね。阿弥陀さまも美しく映えています。皆さまも、和灯明を楽しんでみてはいかがですか。灯芯・灯明油は、京仏具「小堀」などで購入することができます。

灯芯の火