常、私たちは「鶴亀(つるかめ)」と呼んでいます。鶴は千年、亀は万年といわれ大変おめでたいものの象徴です。もともとは床の間の飾りものでしたが、それが仏前の荘厳仏具(しょうごんぶつぐ)として発展しました。
私ども真宗大谷派(東本願寺)では真鍮色(しんちゅうしょく)の鶴亀を、西本願寺では宣徳(せんとく)仕上げの黒い色を用います。
鶴ほど姿のいいものはありません。一方、亀ほど姿の悪いものはありません。しかし、仏さまの世界では鶴は鶴として輝き、亀は亀として輝いて、しかも両者が調和しているのです。鶴亀の燭台は、そういう極楽浄土のありようを私たちに教えてくれているのだと思います。
写真は、長い歴史を経て洗練された形をもつ鶴亀(お内仏用)です。