彼岸会法要でお餅を積み上げているお供えについて教えてください。  (杉並区Wさん)

「杉盛(すぎもり)」(写真参照)といいます。おっしゃるとおり、小さな丸餅を順序よく積み重ねて作る、シンプルな形状のものです。これは「報恩講」などの重い法要以外で用いられ、明順寺では「盂蘭盆会法要」でもお飾りされます。

正式には、「杉形華束(すぎがたけそく)」と称し、本願寺9代実如上人(1458~1525)の頃にはその原型があったと言われています。

一方、「報恩講」などの重い法要で用いられる「須弥盛(しゅみもり)」は、正式には「須弥盛 華束」と称し、その原型は意外と古く、本願寺8代蓮如上人の25回忌のときには飾られたといいますが、今日のような形のものは、石山本願寺時代にまで下る のではないかと、推察されています。(須弥盛についてはコチラをご覧ください)

現在では、こうしたお供えをつくる技術者も限られていて、東京の寺院では、ほとんどが仏具店で制作された模型をもって代用している状況です。

杉盛(すぎもり)