私たちはひとことで「お経」という言い方をしますが、どのような種類があるのですか? (長野県Aさん)

お経をあげることを「声明(しょうみょう)」と言い、500年以上の歴史があります。宗教性、音楽性豊かなものです。

まず経典ですが『仏説無量寿経(上下巻)』・『仏説観無量寿経』・『仏説阿弥陀経(呉音読み・漢音読み)』があります。

偈文(げもん)には『正信偈(しょうしんげ・9品10通りの読み方)』・『文類偈(もんるいげ・2通りの読み方)』・『嘆仏偈(たんぶつげ)』・『三誓偈(さん せいげ)』・『願生偈(がんしょうげ)』・『勧衆偈(かんしゅうげ)』などがあります。

さらに親鸞聖人がつくられた七五調の『浄土和讃』・『高僧和讃』・『正像末和讃』326首を使います。「和讃」には「念仏」とともに二淘(ふたつゆり)・三淘 (みつゆり)・五三淘(ごさんゆり)・五淘(いつつゆり)・八淘(やつゆり)・十淘(とゆり)・十二淘(じゅうにゆり)の読み方があります。

そのほかに『回向文』3種類。『伽陀』13章。拝読物として『御伝鈔(ごでんしょう)』『御俗姓御文(ごぞくしょうおふみ)』『お文(おふみ)』『嘆徳文 (たんどくもん)』などがあります。

すべてを習得するのには相当な稽古と実習経験が必要です。 皆さまの年忌法要では、伽陀・仏説阿弥陀経・短念仏・懸和讃・回向・お文拝読が通常の次第です。

『浄土和讃』『高僧和讃』『正像末和讃』『正信偈』