もっとも位の高いのは、紫のお衣ですか? (中央区Mさん)

天台宗の座主(ざす)が、緋色(ひいろ)のお衣に、緋色の五条袈裟(紋白)を身につけておられるのを見たことがあります。たぶんこの形が最上なのか と思います。一般的には紫色のお衣に、緋色の五条袈裟(紋白)。真宗大谷派では、紫色のお衣に緋色の五条袈裟は、おそらく門首のみ着服できます。

私たち一般寺院住職は、上座(じょうざ)の共通衣帯(えたい)が本栗皮色(ほんくりかわいろ)、准上座(じゅんじょうざ)の共通衣帯が薄栗皮色…、となっています。栗皮色は、確か天皇陛下が即位されたときの衣帯の色であったかと記憶しています。

詳しくは、上座にも一等から四等まであって、それぞれにお衣の色が定められています。黄菊色・紅松皮色・黄桜色・莟菊色・桜木色・裏紅葉色…。名前を見ているだけでも、古来の日本人は豊かな色彩感覚をもっていたのだと感嘆させられます。

住職の法衣に関する決まりごとは、宗派によって違いがあり、歴史と伝統によることですが極めて厳格に規定されています。あまりに細密で私にはすぐに理解できないほどです。