住職さんは、お経を読み間違えたりすることはありませんか?  (目黒区Kさん)

未熟なことですが、やはりあります。お経を読んでいますと、不思議と亡くなった方のことを思い出したり、忘れていたことを思い出したり、いろいろなことを考えたりします。これがお経を読むことの功徳(くどく)であると思うほどです。

本願寺8代の蓮如上人も、ご信心のことを考えていて、お経を間違えたということを述べておられます。

傑作(けっさく)な話を聞いたことがあります。昔のことですが、本願寺門首が「仏説無量寿経 上」と調声(ちょうしょう)しなければならないところ「仏説無量寿経  下」と発声してしまい、出仕していた僧侶は「上巻」を手に持っているにもかかわらず、「下巻」をそらんじたといいます。

お経中、ほんとうに無心で何も考えず勤行(ごんぎょう)に集中できることもあります。極めて気力・体力・法要の雰囲気(場)が充実しているときではないでしょうか。