「報恩講」のときに読まれる『御伝鈔』ですが、すごい迫力ですね。(練馬区Kさん)

そうですね、拝読物には『御文(おふみ)』・『御俗姓御文(ごぞくしょうおふみ)』・『御伝鈔(ごでんしょう)』がありますが、『御伝鈔』が最も重いものです。

読み方は『御文』が一字下げ、『御俗姓御文』が二字下げ、『御伝鈔』は三字下げとなります。

『御伝鈔』拝読のときは装束も格があがり、裳付(もつけ)・五条・差貫(さしぬき)となります。

定かではありませんが、かつては『御伝鈔』を拝読するときに短刀帯びて拝読に臨んだといいます。大相撲の立行司(たてぎょうじ)が帯刀するのと同じ意味です。読み間違えたときは腹を切る覚悟だということです。

現在では脇差をもつことはありませんが、本山「報恩講」で『御伝鈔』を拝読する係は、一年前に指名され、間違えたときには、ご門首に責任をお伺いするということもあるようです。

いずれにしても、儀式はこうした緊迫した覚悟をもって臨むものだということなのでしょう。

御伝鈔