「グリーフ」は悲嘆という意味です。身近な人を亡くした悲しみや苦痛、環境の変化などを受け入れようとすることを「グリーフワーク」。それを支援することを「グリーフケア」といいます。(グリーフケアとは – はてなキーワード)
従来、欧米人に比べて日本人は、特別な「グリーフケア」を必要とするケースは少ないといわれてきました。折々の仏事、家のお仏壇がその役割を果たしてきたと分析されているのです。仏壇を前にして亡き人と話ができる、これが心の癒し、心の整理につながっているのでしょう。
ところが、最近は少し事情が違ってきているようです。葬儀に悲しみがなくなったといわれま す。医師の宣告があったときに悲しみが訪れ、葬儀は悲しみからの解放となり、日常に戻ったときにまた悲しみに襲われるというのです。「グリーフケア」を必 要となる人が増えてきているのです。折々の仏事が簡略化されてきていることや、核家族化により仏壇がないところで生活していること、死を人生の敗北、最悪 の事態として覆い隠している現代の風潮も影響しているのかも知れません。
「グリーフケア」では、まず信頼できる場が必要となります。同じ悲しみを持った人たちが集まり、語り合って、悲しみを表出し、心を開放させていくのです。寺院でも、そうした取り組みをしているところがあります。
残念ながら、私はそうした「グリーフケア」が行えるほどの立場にはありませんし、専門的な知識もありません。ただ、少しでもできることから支援したいとの思いで、「亡きあなたへの手紙届けます」を始めました。「手紙」を書くことを通じて、亡き人と向き合うことができれば、自分の心が整理され、悲しみを受容していくことができるのではないでしょうか。