「紙華(しか)」とは、葬儀につかう道具の一つです。「四華花」、「紙花」、「死花」など、さまざまな呼び方があります。
白い紙に横に細かく切れ目を入れて、細い棒に巻きつけたものです。(写真参照)
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「紙華」は、お釈迦さまが「涅槃(ねはん)」に入られたとき、二本の沙羅双樹が真っ白に枯れた、あるいは、沙羅双樹が時ならぬ真っ白な花を咲かせたとの故事に由来します。
ちなみに、亡くなられた方を北枕に安置することも、お釈迦さまが北枕に「涅槃」に入られたことによるものです。
したがって、「紙華」や「北枕」は、亡き人をお釈迦さまのように「涅槃」に至らしめようとの願いが表現されたものと考えられますね。
昔は、近親者が「紙華」を持って葬列を組んだようですが、今は祭壇に飾ることとして残っています。
「紙華」には、金・銀のものもありますが、由来から考えると白いものがふさわしいようですね。