昔は、お布施は住職に施される「布施」でした。住職という仕事は物を売って対価を得る仕事ではありませんから「坊主丸儲け」という言葉が生まれたのだと思います。
宗教法人法が施行されてから「お布施」はすべて、お寺の収入として処理されるようになりまし た。住職はお寺から給与をいただいているのです。宗教法人は、宗教活動の公益性が認められているため課税されませんが、住職のいただく給与には税金がかか ります。ちなみに明順寺では該当しませんが、収益事業にも課税されます。
お寺の伽藍の維持管理には大きな費用が必要とされますし、法要費・教化活動にもかなりの経費 がかかります。また毎年本山に納める「宗門護持金ほか(明順寺ではおよそ250万円)」が、宗門として活動するさまざまな事業の原資となっています。残念 ながら、そうした宗門の活動が有効に社会に認知されていないことが残念でたまりません。
私は、毎日寝るまで寺務仕事をしている状況で、テレビを観ながら晩酌を楽しむという余裕はありません。安心して休める日もないのです。猛烈社員なみ?といっていいほどで「坊主丸儲け」には程遠い生活です。