お布施の「目安」は教えてもらえるのですか?  (中央区Sさん)

イオンの葬儀参入についての反応を新聞で見ますと、その多くは、葬儀のときのお布施の「目安」が欲しいということだったそうです。

実は、お寺も、お布施については悩んでいます。基本的に施主さまのお気持であるものの、寺院運営の基本となる資金ですから、いくらでもかまわないとも言い切れません。

定価をつけてしまうと、お布施本来の宗教的意味を失って課税対象となり、それがまたお檀家さ まの経済的負担に反映しかねません。ましてや、政教分離・信教の自由の原則を厳守していくことを必是とするならば、定価にすることはあってはならないこと です。定価にすると、必ず、支払えない方もでてきます。安くしてあげれば、その方の心の負担にもなるでしょう。

お布施は、実際、多い人も少ない人もあるわけで、個々がそれぞれの経済状況に応じて出来るだけのことをしていただくことで、経済格差が是正されるという面も忘れることはできません。お寺は、それで成り立っているのです。

布施行は、金額の多少にかかわらず、布施行為そのものが尊いことであり、満足すべきことです。多いからといって誇り、少ないからといって、ひけ目を感じてはなりません。

明順寺では、お檀家さまとの信頼関係を前提として、お尋ねいただいた場合には一定の「目安」をお伝えし、あとは施主さまのご判断にお任せしています。どうぞ、ご心配なくご相談くださいますようにお願い申し上げます。

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